【コラム】2010年 J1全チーム戦力分析 vol.2

というわけで第二段です。
だんだん南下してまいります。

【浦和レッズ】 監督:フォルカー・フィンケ

主なIN
柏木陽介(広島)
サヌー(ケルン)
スピラノビッチ(ニュルンベルク)      
高崎寛之(水戸:レンタル終了)
 
主なOUT
田中マルクス闘莉王(名古屋)

 
去年はフィンケ監督の下、「新しい浦和レッズ」、もっと踏み込んで言うと「ゴタゴタと面倒臭い事に首を突っ込まない浦和レッズ」として生まれ変わったように見えたものの、一回ずっこけたらそのままその「面倒くさいこと」を抱きかかえながら、ゴロゴロと転がり続けてしまったような感じだったと思います。
 
その影響が最も端的に出たのが、闘莉王の移籍だったんでしょうね。今年の浦和に関して考える時、やはり彼の不在がどう影響するかという事は非常に大きいでしょう。
それに阿部が、キャンプが始まった今でも未だに移籍の可能性を残している、ということを考えれば、またしてもプレー以外の面倒くさいところでくすぶっている火種があるのかもしれません。今年もこの「プレー以外の余計なこと」を吹っ飛ばすことが、まずフィンケ監督の仕事になるのでしょう。
 
でもそんなことはこっちから見てる分には知る由もないので、純粋に戦力について考えてみると、大きなOUTはいまのところ闘莉王のみである一方、その闘莉王の位置にはスピラノビッチ。去年人選に最後まで苦しんだサイドバック(特に左)にはサヌー。全盛期を過ぎたポンテ以外は守備専門型とドリブラータイプばかりだった中盤にパスの供給役を期待できる柏木。そしてタイプ的にエジのスペアとして期待できる高崎が復帰、と入ってくる方は適材適所の補強が出来たんじゃないでしょうか。
 
あとはこの人材たちが、浦和に欠けている部分にどれほどの影響を与えられるか。柏木の実力は今更言うまでもないし、梅崎と山田直が怪我で出遅れるのが確定している中では、最初から中盤の大きな権力を与えられる事になるでしょう。そこでどこまで彼の特徴を出せるか。
 
また、今までの「闘莉王がいたからどうにかなった部分」がなくなった分を、スピラノビッチがどこまで補えるか。
そしてサヌー。今年のキープレイヤーは彼だと思います。去年浦和が苦しんだ大きな理由のひとつは、サイドバックの駒不足。この問題を、左右とも高レベルで彼が補ってくれれば、ACL以上は当然狙うべきチームでしょう。
 
だって普通にやれば普通に強いチームなんだから!
 
 
 
【大宮アルディージャ】 監督:張外龍

主なIN
安英学(水原)
杉山新(甲府)
村上和弘(川崎)
北野貴之(新潟)
深谷友基(大分)
坪内秀介(神戸)
多田大介(C大阪)
 
主なOUT
パク・ウォンジェ(全北)
波戸康広(横浜FM)
小林慶行(新潟)
島田裕介(徳島)
片岡洋介(京都S)
冨田大介(神戸)
村山祐介(大分)
高木貴弘(新潟)
田中輝和(横浜FC)
斉藤雅人(引退)

 
何かアマチュアチームがプロチームになった最初のシーズン終了後みたいな、大量放出・大量獲得ですね。よくわかりません。
 
ただ詳しく見てみると、要は
 
・CBは富田、片岡を放出して、そこに深谷と坪内を入れる。
・SBは左の波戸、右の村山(田中)を放出して、左に村上、右に杉山を入れる。
 
という守備陣の単純な入れ替えですね。これがどこまで効果があるのか、よくわかりませんw
まあ、メンツを見れば戦力アップといえるかも知れないですけどね。
 
このチームは結局、去年最初は悪くなかったのに途中から泥沼に陥った原因である、チャン監督の患う「奪ってから○○秒でゴールに向かうサッカーの呪縛」という典型的な病をどう克服するか、というのが最大の課題だと思うんですが、補強からはそんな感じは見えてきません。そういえば慶行が大宮を去ったのも、このサッカーへの疑問が原因でしたよね。
 
んで、そういうサッカーをするにはGKのキックの質も重要だと思うんですけど、これまで正GKだった江角は決してキックの上手い選手じゃない。なのに新しく獲ったGKも輪をかけてキックが下手だという。ホントよくわかりません。
 
 
 
【FC東京】 監督:城福浩

主なIN
松下年宏(新潟)
森重真人(大分)
リカルジーニョ(アトレチコ パラナエンセ)     
高橋秀人(東京学芸大学)
 
主なOUT
茂庭照幸(C大阪)
近藤祐介(札幌)
藤山竜仁(札幌)
佐原秀樹(川崎)
浅利悟(引退)
ブルーノ クアドロス(未定)

 
このチームの問題は数年前からずっと同じで、「CBの人選に答えを出せていない」って事だと思います。
 
08年は「茂庭&佐原」が揃わないとチームが回らない状態が続き、09年はそこに補強した平松が外れで、茂庭と佐原のコンディションがずっと整わなかったため、最終的には「今野&ブルーノ・クアドロス」のコンビに落ち着く・・・って流れでしたが、このオフでブルーノは放出。
 
そのため、今年はまた1からのスタートになります。普通に考えれば、多分「今野&森重」になるんでしょうけど、ルーキーの高橋あたりも絡んでくるかもしれません。
ともかく、FC東京が一歩先に行くには、早急にこのコンビをしっかり構築する事が何より重要だと思います。今年もその組み合わせが決まらないままズルズル行ったら、また同じ轍を踏んでしまうでしょう。
 
中盤では松下がどこで使われるにしろ、待望のプレースキッカーとしての期待は大きいはずです。正直言って、松下みたいな走りの質が何よりの信条タイプはFC東京の中盤には多いので、その辺でタイプ被ってるんじゃないの?って気はしますが、プレースキックという武器は大竹以外はこれまで持っている選手がいなかったので、一歩先に行くのならば、彼のキックは結構重要になるんじゃないでしょうか。
 
それとFWはリカルジーニョがアタリか否か。これは相当でかいと思います。平山、赤嶺、鈴木達也。石川の復帰がシーズン開始に間に合わなそうであることを考えれば、もう一枚得点力は絶対欲しいはず。彼がカボレやトゥットになるか、ワンチョペになるか。結構でかい分岐点だと思います。
え?俺の予想?わんch
 
 
 
つづく

コメント

  1. 匿名 より:

    このシリーズ、いいですね。

    日頃サッカー雑誌を読まない(読もうとしないw)層にとっては、
    これくらいコンパクトに要点まとめてもらえると
    すごく助かります。

    続き、楽しみにしてます。
    うちのチームの分もぜひお願いします。