1999.09.11 第25節 MatchReport 新潟×鳥栖

1999年9月11日(土)12:30キックオフ
於 新潟市陸上競技場
アルビレックス新潟 対 サガン鳥栖 ○ 1-0

 
 久々のデーゲーム。新潟のデーゲームというと、きれいに晴れて暑いというイメージがあるが、今日も日射しが強く暑くなりそうだ。

 スタメンはGKが木寺、DFが右から木沢、柴、高橋、中野で中盤は秋葉、瀬戸、リカルド、式田、FWはサウロとシンゴでサブに吉原、藤田、太一、水越、鳴尾。セルジオはまだダメだけど、中野の復帰は心強い。それより驚きは式田。まさかいきなりスタメンとは。しかも水越をベンチにおいてまでのスタメン。

 キックオフ前に周りを見渡すと観客の数が寂しい。今日はテレビ放送があるし、12時半なんて早い時間だからしょうがないのかな。さらに上を見ると雲ってきてる。まさか降らないよな。今日はポンチョ持ってきてないんだから。

 そしてキックオフ。向う側、鳥栖ゴール裏(といっても鳥栖のサポーターはバックスタンドに陣どっていた。)に攻めるアルビ。鳥栖には過去2戦2勝。相性は悪くない。しかしホームでの勝ちが前回の鳥栖戦以来ないというのは随分長く勝ってないことになる。ここで連敗を止めよう。

 あれ?シンゴのポジションがいつもと違うぞ。サウロのワントップになってる。中盤は秋葉、瀬戸のダブルボランチに左からシンゴ、リカルド、式田の3人の攻撃的MFの構成。さすがに監督もいじってきたみたい。中盤の人数が多い分、チェックがよく、中盤でボールを奪うことができる。でもサウロのポジショニングが悪く、速攻には結びつけられない。

 圧倒的にこっちがおしてるというわけではないが、シュートで攻撃を終えることのできるアルビとシュートの打てない鳥栖。この差は大きい。鳥栖のエース竹元が大きな動きでマークを外そうとするが、いかんせんパスが回ってこないんじゃしょうがない。

 今日は木沢がおとなしい。式田をかなり気遣ってプレーしてるのが分かる。その式田も初出場のわりには良くうごけてる。スピードはないけど、運動量はあるし思ったよりも良い選手みたい。

 何回か攻め込みつつもなかなか決定的なチャンスが作れないが右から左からとじょじょにペースをにぎっていく。そしてやはりやってくれました。左からのセンタリングをシンゴがヘッド、バーに当たったところをサウロが詰める。ゴール。アルビがまず、先制。ゴールを決めたサウロ。メインに向かって走りかけてから、今日はテレビカメラがあることに気付き、カメラへ直行。う~ん。やっぱり、サウロだ。

 そこからたたみかけるかといえば、そうでもなく、おさえめにしてるのか、それとも同点がこわいのか。動きは良くならない。逆に中盤が動かなくなってサイドバックの上がるスペースがなくなるというあまり好ましくない状況。こういうときこそ、ゴール裏からあおってやるべきなんだけど、どうもコールが少ない。先制したけどまだ試合は終わってないのに。コールリーダー達の雑談のためにコールがない状況ってのも同じく好ましくない状況。

 前半は選手交代もなければ、ほとんどファールもない。ロスタイムは0分で45分ぴったりで終了。

 ハーフタイムの間はサブの選手がピッチで練習するのだが、4人しかいない。太一がいない。ということは太一が後半最初から登場。交代はポジション的に式田かな?

 選手がピッチに出てくる。あれ?あれ?まさか?サウロがいない。交代はサウロに代わって太一。

 ここでワントップが太一になるわけだけど、鳴尾の立場はどうなるんだ?太一はもともとMFなのに。体格的にもDF背負ってプレーするワントップは太一には向いてないでしょ。

 しかし、見事に裏切ってくれました。太一がキレのあるドリブルを連発。2、3人をスルスルとかわしていく。シンゴの突破を切れ味するどい突破というなら太一の突破は華麗な突破。そして優雅にかわしていく太一。また、ワントップが太一になった分、前半みたいに無理矢理ポストに預けるというわけじゃなくて、丁寧に足元に渡していくから攻撃もさまになってきた。そして期待、というより半ば懇願に近い追加点。頼むよ。早く追加点取ってくれ。もう1点じゃ安心できない。

 しかし、フリーのリカルドがループシュートを失敗し、絶好のシュートチャンスをシンゴが横パス。どうも積極性に欠ける。鳥栖の方はほとんどシュートがないわけだからピンチもなく、なかなか観客は盛り上がらない。地味に時間が過ぎていく。

 後半も15分過ぎたところでリカルドに代わって鳴尾登場。最近、スタメン落ちしてるんだから、ここでアピールだ。追加点頼むぞ。鳴尾。

 しかし、鳴尾も動きが悪い。守備はともかく攻撃のときに前線へ飛び出す選手がいない。だからサイドバックが上がるスペースもない。味方同士お互いにプレーエリアを奪いあってるような状況。これでは攻撃が形にならない。そこは鳥栖にとってチャンスなわけで、ここぞとばかりに攻め込むものの、センタリングが不正確でシュートまで持っていけない。これだと公式記録のシュート数だけ見るとアルビがおしまくってたように見えるんだろうな。

 残り15分を切ったところで式田に代わって水越投入。しかし、流れは変わらず。地味に試合終了。

 とりあえず勝った。90分内での勝利で勝ち点3を得た。

 けど内容としては不満がいっぱい。FK、CKの際、みんなニアに走り込んでファーには誰もいなくなっちゃうのはなぜ?ボールを持った選手がペアルティエリア近くまで来ると周りの選手が動かなくなっちゃうのはなぜ?スローインを受けるときにスペースを作る動きを利用して裏を取ろうとしないのはなぜ?センタリングに合わせる選手がマークから離れるためにおとりの動きをしないのはなぜ?この試合でリーグが終わるならいいんだけど、まだまだリーグは続くわけで、まだまだチームも成長して欲しい。だからこそ言いたい。もっと動いてくれ。

 次は大分での試合。大分は唯一2戦2敗しているチーム。このままじゃツラいぞ。勝ったからそれでいいわけじゃないんだから。

【採点と寸評】
 
GK #1 木寺 6.5
ほとんどシュートが来なかったので、評価しにくいが、少ないプレー機会の中でミスは見られなかった。コーチングもしっかりしていた。特に前節にやられたFKの場面で、しつこいくらいにマークの確認していたことを評価したい。

DF #2 木沢 6.5
初出場の式田のフォローに重点をおいてプレー。攻め上がりの判断もよく、丁寧にひとつひとつのプレーをやっていた。最初から最後まで集中力を切らすことなく、プレーできたのは大きな収穫。

DF #4 柴 6.5
得意の空中戦を中心に相手を完封。攻められてもシュートを打たせないディフェンスでゴールを死守。いままで多く見られたパスミスは見られなかったが、もうひとつの悪いクセである、ロビングのボールが来たときにフリーでトラップできる状態なのに大きくクリアしてしまい、相手のスローインにしてしまう場面がたびたび見られた。

DF #14 高橋 7.0
空中戦、マーキング、フィード、ほとんどミスなし。厳密には前半に右足で中野へだしたミドルパスが直接ラインを割ったことが1回あった。しかし、ラインコントロールが良く、何回かオフサイドを奪うことができ、セルジオ抜きでもある程度守れるところを見せた。

DF #12 中野 6.5
ケガが治り、2試合振りの出場。攻守のバランスのとれたプレーをあらためて評価したい。難を言えば中盤の左サイドの鈴木とコンビネーションが良くなく、オーバーラップが少なかった。後半はほとんど守りだけになっていた。特に評価したいのは前半に打ったミドルシュート。木沢が攻め上がってセンタリングして、左へ流れてきたボールを判断良くシュート。ワクは外れたものの、もしキープしようとして相手にボールを奪われたら速攻を仕掛けられる場面であり、状況判断力の高さが目立った。

MF #22 秋葉 7.0
最後まで献身的に中盤で守備。マンオブザマッチにも選ばれた。最終ラインに入ることなく、ディフェンスラインの前で相手の攻撃の芽をつむ。速攻をやられそうな場面では秋葉がダッシュしてきて相手の攻撃を遅らせたり、クリアしていた。また今まで以上に視野が広がり、パス回しにも多くからんでいた。ただ、シュートを打てる場面でもシュートを打たないクセはあいかわらず。

MF #7 瀬戸 6.5
CKやFKのときには相手ゴール前で、柴が負傷して治療している場面ではCBでプレー。どのポジションでも高いレベルでこなすことができ、また展開力にもすぐれている。ミドルパスやサイドチェンジで両サイドバックのオーバーラップを引き出していた。攻撃への意志も高く、ミドルシュートを多く打った。しかしワクにいかないことも多い。中盤からの飛び出しが少なかった分、スルーパスをあまり出せなかった。

MF #9 リカルド 6.0
いつもとは違い、中盤の中央のトップ下でプレー。何回かうまく前線へ飛び出し、チャンスを作った。しかしリカルド本人がシュートチャンスになるとシュートミスをしてしまう。相手のGKを良く見てループを狙うなど、落ち着いているのはいいが、たまには力強く打つことも必要。また攻撃のときに中央にこだわり過ぎて、攻撃のバランスがあまり良くなかった。

MF #24 式田 6.5
初出場ながら78分に交代するまで、及第点をつけられるプレーぶり。スピードのなさが目立ったものの中盤でのディフェンスや前線への飛び出しも良かった。シュートは打てなかったが、木沢とのコンビで何回か右サイドを突破するなどチャンスを作った。ただ、水越と比べるとまだまだ力(特にスピード)不足は否めない。

FW #17 鈴木 6.0
FW登録ながらポジションは左の攻撃的MF。何回も足を芝生にとられ、転んでいた。足元にもらってからのドリブル突破を狙い過ぎるあまり、前線への飛び出しがあまり見られなかった。ワントップとのコンビネーションも良くなく、プレーエリアが外に開き過ぎていて中野の攻め上がりを抑える形になってしまった。また、シュートチャンスでも自分で打たずにパスを出すなど、いつもの積極性がみられなかったのは残念。

FW #10 サウロ 6.5
決勝点となるゴールを決めたが、全体的にはあまり良くなかった。周りからのパス(特にロビング)が不正確だったこともあるがポストプレーが雑でボールを中盤につなげられなかった。無駄なファールや無謀なヒールパスは見られなかったが、中盤へのフォローが遅く、速攻ができない要因になっていた。

FW #23 長谷川 7.0
華麗なテクニックでドリブル突破を連発し、チャンスを作る。しかし、自分できめようという意識が低く、ゴールに近付いてもシュートより周りを捜してしまう場面が何度かあった。ボールキープできる技術は十分あるのだが、ワントップだったためパスの出しどころがなく、次回は中盤でつかってもらいたい。

FW #11 鳴尾 5.0
以前のハングリー精神が見られず、淡白なプレーが目立った。前線からのチェイシングが甘く、得点への意気込みもあまり感じられない。

MF #6 水越 ー
プレー時間が短く、評価できず。

監督 永井 6.5
新フォーメーション(4ー5ー1)や式田をスタメンでつかうなど大きく動き、結果を出した。しかし鳴尾投入くらいから全体的にディフェンスする際のポジションがあいまいになっていたが修正指示が見られなかったのは残念。