2006.06.13 宝くじを買わなくても、夢が叶うこともある

 いよいよW杯が始まりました。今日は日本代表の初戦もありますね。しかし今回のコラムはそういうマクロな話ではなく、ミクロな話(私事)を書かせていただくことにします。すみません。(^^;

 4年前、日韓W杯が開催されていた頃に私はひとつの夢を持っていました。それは自宅の近くに屋内フットサルコートを作ること。といっても資金が無いので「宝くじが当たったら」の話なのですけれどもね。

 それでも「宝くじが本当に当たってしまったら」のことを考えて、聖籠町在住の友人から屋内運動場の建設費用は○億円だという情報(噂?)を入手してみたり、テニススクールのコーチに屋内コートの建設費用を尋ねてみたり(実は基礎部分にかなりお金がかかることが判明)、コート以外にも更衣室とシャワーは必須だなぁとか、維持費はどれくらい掛かるだろうとか、アルバイトを雇うにしてもコート使用料は券売機を導入してお金を直接扱わない方がよいだろうとか、平日昼間はどうやってコートの使用率を上げればいいかとか、駐車場も必要だなぁとか、子供でも通えるようにバスや電車の便も良い方がいいかも……などなど、かなり具体的な妄想をしていました。

 なぜ私がこんな妄想をするようになったのかというと、当時は新潟市内で借りられるフットサルコートがほとんど無かったからです。美咲町のコートは屋根が無いし、体育館で唯一蹴れるウェルサンピア新潟(新潟厚生年金スポーツセンター)は予約でいっぱい。ということで大抵は聖籠町の屋内運動場でボールを蹴っていました。しかしながら家からの距離は片道約40km。予約に行くのも練習に行くのも正直しんどいと感じていました。

 そして自分自身のレベルアップにも限界が来ていて、もっと基礎練習がしたいと考えていました。自宅近くにコートがあって、自己所有ならコートが空いてるときにいつでも蹴れる。とにかくもっともっとボールを蹴りたかったんですね。男女ミックスでゲーム形式でやっている状況では、私がボールに触れる回数なんて微々たるものでしたから。実は自宅敷地内にサッカーゴールを置いているお宅が近所にありまして、通りがかる度に羨ましく眺めていたものです。

 さて、そんなこんなでそれまで一度も買ったことが無かった宝くじを買いはじめてしばらく経った頃(たぶん1年後くらい)、なんと「近所に屋根付きフットサルコートが出来る」という話が出てきたのです! 正直最初は信じられませんでした。こんな幸運は宝くじに当たるのと同じくらい奇跡ですよね。さらにそのフットサルクラブは、破格の料金で平日昼間に女性を対象にしたサッカースクールを始めてくれました。しかも女性のコーチで(テニスもそうなのですが、女性なりの打ち方、蹴り方を参考にできるので同性のコーチが良い)。まるで私の考えをどこかで聞いていたんじゃないかと思うくらいピンポイントの経営。本当に感謝、感謝です。

 今、ドイツで戦っている世界のトッププレイヤーたちは、の大舞台でサッカーが出来る幸せを感じているのだと思うけど、私だって、小さな世界ではあるけれど、こんな風に恵まれた環境でサッカーが出来ることに幸せを感じています。どんなレベルのプレイヤーでも、前々回のニシさんのコラムで言われていたように怪我無くプレーできることを喜び、そして恵まれた環境(一緒にサッカーを楽しんでくれる仲間も含めて)でサッカーが出来る幸せに感謝することで、またサッカーに対する意欲が沸いてくるんじゃないかと思うのです。

 私はというと、こんな恵まれた環境を利用しないなんて“もったいない!”という主婦根性で(笑)、今日もまたボールを蹴ってきます。それでは、行ってきまーす!

2006年6月13日 水野 栄子

PROFILE of 水野 栄子
みずの えいこ 1972年生まれ。新潟市出身。小学生の時に「キャプテン翼」の影響を受けサッカーをやりたくなるも、地元はサッカー不毛の地であり断念。1999年、アルビレックスの観戦が縁で浜崎、岡田の両氏と出会い、サッカープレイヤーへの道が開ける。現在は仕事と家庭とLSS(レディースサッカースクール)通いの両立に頭を悩ませている。