ドイツで行われているＷ杯、日本代表は１分け２敗の勝ち点１で決勝トーナメントに進むことはできなかった。ジーコ監督の采配云々が問題視されているが、それはすでに大会前から充分に分かっていたことだ。ただ、ジーコ監督について否定的な意見を持つ人は多くいたが、実際監督交代を望み、行動を起こした人がどれだけいただろうか。
日本代表というのは日本でサッカーが上手い人を集めただけのチームではない。日本サッカー協会をはじめ、ファン、マスコミ、すべてのサッカー関係者の代表なのだ。
ジーコで戦えると判断した協会、勝てる勝てると煽り続けたマスコミ、ジーコの采配には不安があるけどなんとなくいけちゃうんじゃないかという甘い考えを持ったファン。その結果がグループリーグ最下位という惨敗だ。何が何でも決勝トーナメントに進まなくてはいけないと本気で考えていた人がどれだけいたのか疑問に感じる。
中断明けからはやっとエジミウソンが復帰できそうだ。開幕前のファビーニョもそうだったし、昨年の慶治のケガもそうだったのだが、最近は公式発表による全治期間がまったくあてにならない。勲はいつになったら復帰できるのだろうか。そして永田は復帰直前にまたケガをしてとうとう今シーズン中の復帰が困難になった。
まだ今シーズン、ベストメンバーで公式戦に臨めていないという現実。ケガ人続出でも６位というのはよくやっていると考えるか、ケガ人がきちんと復帰できればもっと上位に上がれただろうと考えるかは自由だ。ただ日本代表と同じく、本気で上を狙おうという気持ちがあまり見えないというのが正直なところだ。いつか優勝できればという考えではいつになっても優勝はできないだろう。優勝は持ち回りではないし、待っていればこぼれ落ちてくるものではない。まだ優勝争いには早いのだろうか。現在暫定首位のフロンターレよりも先に昇格しているのだが。
はっきり言えば「温かくも厳しい」と「ぬるい」は似ているがまったく違う。Ｗ杯で疲労している代表選手がいない、主力も抜けていない、監督問題もない、今年はチャンスだ。本気で狙いにいかなくては永遠に優勝なんてできない。
2006年6月26日 岡田 正樹
PROFILE of 岡田 正樹
おかだ まさき 1978年生まれ。新潟出身。アルビレックス初観戦は99年のJ2開幕戦から。以来、ほとんどの週末をスタジアムで過ごす生活を送る。6歳からサッカーをはじめ、現在は新潟県リーグASジャミネイロでプレー。好きなサッカーの楽しみ方はやること、見ること、書くこと、読むこと、考えること。