2007.03.26 「来たか」アンド「来ちゃったよ」

 こんにちは。毎月第4週目のサポーターコラムはいろんな人が書いていくということになり、まずは私、丸山が書かせていただきます。

 ボクにとっては仕事も応援ものアルビレックス。ちょっと気のきいたコトを…と悩み考えましたが、やっぱり今日というこの月曜にコレを書かないコラムはありえないです、やっぱり。「矢野代表戦出場」ですよ。

 あの土曜の夜には、浅田真央と安藤美姫の涙と笑顔のデッドヒートもあれば、亀田の「あかんわ」もあって、おー! だの、あー! だのと叫ぶようなシーンだらけの一日でしたが、矢野が日の丸をつけて「こんにゃろ!」と飛び込んだ終了直前のあのときこそ「おっあぁぁー!」と心の底から叫んだ一瞬。やっぱ叫びたいよなー、代表戦でも。

 「ついに来たか」って予防接種の順番待ちのような純粋な矢野のコメントもほほえましいが、僕らだって「ついに来ちゃったよ!」ですよ。あっという間の数分間だったが、矢野の見せてくれたあの一瞬がこの先のアルビレックスに何かをもたらしてくれるなんてコトはよく分からないけど、たった今からは「代表? あんまりですね」なんて、かっこつけたりして言わなくてもいいのだ。だって世界はそこにあるのですから。

 この町の選手が国を代表して戦いに行くという現実は、なんて不思議な幸せ感覚なんでしょう。応援する自分と戦う矢野。「二人のため~世界はあるの~」なときがあるんだなって感じなかったとは言わせないですぞ。

 矢野が試合後に言っていた「アルビレックスの選手が多く呼ばれるようになればいいと思うし、自分も刺激をもたらしたい」っていうような話は、まさにそのとおり。誰かが行ってこないと、次に続く者が出てこない。こうなったら河原もアトムもホントはA代表の年齢ですって言っちゃえ(笑)。

 さて、早くもNHKでヨハネスブルグのニュースを見て、治安さえ心配してしまう気の早さですが、それはさておき、矢野に注文があるとしたなら、これからの課題は確固たるキャラクター作り。すいません、プレーに関してでなくて(笑)。

 個性派が揃う代表のなかで、メディアもオシムもほっとけないキャラクターを作っちゃえ。そしたら、ほかの代表メンバーも「矢野ぉ! おもしれえ」って気になって、あとは決めてくださいの最高級パスもバンバンくれるかもしれない。オシムの前ですべての色のビブスを身にまとって意味なく走ってみたり、反さんに「かっぱ」の焼肉うまいっすよねー、なんて世間話で近付いてみたっていいのだ。こればっかりは目立ってナンボだぞ。

 別に無理にリップサービスをバンバンしろって言っているわけじゃないですよ。おとなしいより、感情丸出しの方が見てる方も燃えるってものだ。決めなきゃならんところで外すこともあるだろう。そんな時もかっこつけたりせずに、下を向かずに悔しい顔して、また走って走って走ってくれ。「あー、ちくしょー」なんて頭をかきむしっちゃったりしながら、芝生なんかも食いちぎっちゃたりして・・・それでもまたボールを追いかけ始めるくらいに体全部で表現してくれれば、見ているボクらももっと大きな声が出る。

 浅田真央がベストオブベストな演技をしてガッツポーズで笑って、トップに躍り出て泣いて、安藤美姫に抜かれて今度は悔しくてポロポロ泣いて・・・。そんな感情のジェットコースターに釘付けになった結果が視聴率50%! 優勝決定の大一番で見事にすかされた朝青龍が白鵬に対して「この野郎やりやがったな」とニヤリとしたのを見て、こちらもニヤリ。

 な、やっぱりそうなのだよ。どんなときもかっこつけずに笑って泣いて。そして最後にはみんなで笑おうではないか!

2007年3月26日 15時02分 丸山 英輝

PROFILE of 丸山 英輝(まるやま ひでき)
エイヤード代表。まだアルビレックスがJ2だった頃、ペンパルズのゴール裏でのライブをやっちゃってから仕事も応援もの毎日。今では新潟から天気予報をチェックするほどの愛情をもつ。毎年、選手チャントを考えるもいまだ採用されず、不採用記録を更新中の日々。その作品には「アンデルソン・リマ~ゴー・ゴー・ゴー・ゴー♪」(橋幸夫/恋のメキシカン・ロック)など聞きなれない懐メロばかりでセンスを疑う声が多い。東京在住。