2005.09.20 もどかしさ

 秋晴れの続く3連休。世間は楽しそうである。仕事が片づいた今、私も野球にサッカーと予定がつまり、充実の3日間を過ごす予定であった。
 悲劇は土曜の夜に起きた。草野球で颯爽とショートのポジションに入った私であるが、ゴロをさばこうと捕球態勢に入った瞬間稲妻が襲った。いわゆるぎっくり腰である。誠に申し訳ないが、未だに激しい痛みで、起きているのもやっと。ということで、今回は質、量とも乏しくなることをご容赦ください。

 負傷から24時間経過。情報を遮断してのテレビ観戦が始まった。デジタルハイビジョン画質であることを差し引いても、日本平スタジアムのピッチ、舞台は美しい。数時間前に我がジャミネイロの公式戦が行われていたのだが、まさに県リーグとプロリーグの差を感じさせる舞台の差。ともに奇しくも同じ位置での観戦になるのでコントラストは対照的だ。当然舞台にふさわしい熱戦を期待したいところだったが、新潟にとってはスコア以上に散々な試合だったように思える。
 前半、清水はホームの勢いのまま攻めまくり、新潟は防戦一方となった。ほとんど前にボールを運べず、エジミウソンなどは画面にすら登場しない。負傷中と噂されるファビーニョも精彩を欠いていた。それでもなんとかしのぐ展開が続く。エスパルスの得点力不足というは結構深刻なんだなぁ、と身分不相応に考えたのがケチのつき始めか。前半しのげば後半はなんとか、、と思っていた矢先に先制ゴールを許すと、ショック覚めやらぬうちに2点目を決められ、あっという間に2点のビハインドを負ってしまった。
 いつもの通り後半に修正をし、猛攻をかけたものの1?2で敗戦。前節に引き続き無念の連敗である。

 清水が素晴らしかったことを差し引いても、この日の新潟はみんな調子が悪かった。ファビーニョは得点後息を吹き返したものの、いつものパフォーマンスからはほど遠い出来だったし、エジミウソンもリマもほとんど消えていた。直樹は素晴らしいディフェンダーだが、マルキーニョスのような身体能力(スピード)に優れる相手だとどうも分が悪そう。後半に登場した青野も格好の見せ場において、らしくないクロスミスを連発した。
 と、思いつくまま個人名をあげてしまったが、チーム全体としては、パスの精度の悪さが気になった。別に難しいパスを入れようとしているのではない。ごく普通の繋ぎのパスが微妙にずれ、そのためマークを背負ったプレーヤーがボールを奪われることが多々あった。もちろん、清水の素晴らしい組織的なディフェンスがあったのだろうが(この辺はスタジアム観戦をしていないので推測になる)、ここまでパスがぶれる試合を見たことはなかっただけにショックだった。

 いつもの通り、負けた日は報道を一切見ないので現在の順位などは分からない。前日の試合結果を見る限り、下位チームがきっちり勝ち点3をとっているところからすると、ちょっと風向きが悪くなりつつあるのかもしれない。
 でも、人間だもの、こんな試合もあるさ(みつを風に)。勝つ日もあるなら、散々な内容で負けるときもある。ただ、この日の試合を見ても分かるとおり、疲労などの点で、ずっと固定メンバーで戦っているツケが回ってきたようにも思える。その点から言っても、そろそろ怪我人は戻ってきて欲しいところ。見ていてもどかしい試合だったが、この状況下で怪我をしている選手が一番もどかしいのは間違いないのだから。
 これは本当にもどかしい。怪我をし、自分達のチームの負けていく様をベンチ外で見ていた今の僕ならよく分かるのだ。

2005年9月20日 浅妻 信

PROFILE of 浅妻 信
あさつま まこと 1968年生まれ。新潟市出身。新潟高校卒業後、関西で長い学生時代を過ごす。アルビレックスとの出会いは99年のJ2リーグ開幕戦から。以来、サッカーの魅力にとりつかれ、現在に至る。2002年、サポーターのみでゼロから作り上げたサポーターズCD「FEEEVER!!」をプロデュースして話題に。現在もラジオのコメンテーターだけでなく、自ら代表を務める新潟県社会人リーグ所属ASジャミネイロの現役選手としてフィールドに立つなど多方面で活躍中。