2006.07.24 悪い流れを変える方法

 J1に昇格してからリーグ戦で一度も勝てなかった浦和に勝ったと思いきや、今度は昇格以来負けてなかった大分に0対4の大敗。まったく読めないチームだ。上位チームには耐えて耐えて競り勝てるのに、下位チームにはあっさり負けてしまう。この「裏切り感」もこのクラブの魅力のひとつなのだろう。

 今シーズン、下位5クラブから勝てたのは名古屋にだけ。いまさら悔しがっても仕方ないのだが、下位チームにもきちんと勝っていれば、と正直思ってしまう。

 とにかく今年のチームは先制されると弱い。逆転勝ちがひとつもないことが象徴的だ。浦和戦でオーバーペース気味に前半から飛ばしていったのも、まず先に失点したくないという気持ちがあったのだと思う。そこできちんと先制、さらに追加点を奪えたことで勝利を収めることができた。

 しかし、浦和戦で全精力を使い切ってしまったのだろう。中2日でアウェイの大分では回復するには時間がなさすぎた。ただ条件は相手の大分も同じである。問題なのは0対4という大敗だ。

 浦和に勝ったことで今シーズン初めて得失点差がマイナスではなくなったのだが、あっという間にマイナス4だ。これだけ勝ち点を積み重ねておいてなぜこんなに得失点差が悪いかというと応えは簡単だ。勝つときは接戦が多いのに対し、負けるときは必ず2点差以上をつけられている。ひと言で言えば一度失点してしまうと集中力が切れやすいのだ。ビハインドを取り返そうと前がかりになるのは当然だが、追加点を取られてしまっては何も意味がない。

 そこで重要になるのが相手に先制を許した場合に悪い流れをどうやって変えるかということである。問題はふたつある。ひとつは監督の選手交代が遅すぎるということ。大分戦では最初の選手交代が3点目が決められた後である。手を打つのが遅すぎると言われても仕方がない。日程が厳しいのだから余計に早め早めの選手交代が求められるはずだ。

 そしてもうひとつがスーパーサブの不在である。ベンチに流れを変えられる選手がいないのは昨シーズンからの課題のひとつだ。速さや高さといった人並み外れたストロングポイントを持った選手がいなくては流れを変えることはできない。スタメンの11人で勝つことを理想としていたとしても予定通りいかないのがサッカーだ。特にこれからはケガや出場停止がからんでくる。サブメンバーの抜擢を期待したい。

 水曜にはすぐ鹿島戦が控えている。重要なのは連敗をしないこと。疲れているのは相手も同じだ。疲れているからこそ選手交代が重要になってくる。鹿島戦は鈴木監督の選手采配により一層注目したい。

2006年7月24日 岡田 正樹

PROFILE of 岡田 正樹
おかだ まさき 1978年生まれ。新潟出身。アルビレックス初観戦は99年のJ2開幕戦から。以来、ほとんどの週末をスタジアムで過ごす生活を送る。6歳からサッカーをはじめ、現在は新潟県リーグASジャミネイロでプレー。好きなサッカーの楽しみ方はやること、見ること、書くこと、読むこと、考えること。