2006.09.25 縦に速いサッカーがやっと戻ってきた

 3トップを敷く甲府に対し、新潟は4-5-1。エジミウソンを1トップにして、亜土夢(田中)がトップ下に入る新システムがぴたりとはまった。

 亜土夢が前線から積極的にプレスにいくことで相手のパスコースを限定し、中盤でボールを奪うことができる。1トップのエジミウソンは中央で張るのではなく、左右に流れてスペースを作り、そこへ慎吾(鈴木)やファビーニョが飛び出してくる。新潟が得意とする縦に速いサッカーがやっと戻ってきた。

 まるで別のチームを見ているようだった。選手の出足がよく、こぼれ球への反応が早い。攻守の切り替えが早く、奪われてもすぐに奪い返しにいく。アウェイではできなかったことがビッグスワンではきちんとできていた。勝利自体も久しぶりだが、完封勝利は4月のG大阪戦以来、2点差以上の勝利も4月の甲府戦以来だ。特に大量失点が続いていただけに完封勝利は本当に嬉しかった。

 慶治(海本)は本当に良かった。的確な判断とカバーリング、90分間安定したプレーで最後まで集中を切らさずに守り切ることができた。光(三田)もバレーと一対一になる場面が多かったがよく抑えていた。突破力のある選手もサイドに流れてしまうと怖さが半減してしまう。ここ数試合のエジミウソンがそうだった。サイドバックがコースを限定してセンターバックとふたりで挟み込んでしまえばボールを奪うことができる。スタメン抜擢の千葉も今までなかなか持ち味が出せなかった内田もよくやってくれた。

 この勝利は本当に大きい。鈴木監督も久しぶりにゆっくり寝ることができるだろう。これで降格ラインから離れ、混戦の中位グループに戻ることができた。残り試合は10、優勝は難しいが上位進出のチャンスはまだまだある。次のFC東京戦でも気持ちの入ったサッカーで勝利をつかんで欲しい。

2006年9月25日 20時36分 岡田 正樹

PROFILE of 岡田 正樹
おかだ まさき 1978年生まれ。新潟出身。アルビレックス初観戦は99年のJ2開幕戦から。以来、ほとんどの週末をスタジアムで過ごす生活を送る。6歳からサッカーをはじめ、現在は新潟県リーグASジャミネイロでプレー。好きなサッカーの楽しみ方はやること、見ること、書くこと、読むこと、考えること。