2007.11.05 あとの祭ですが・・・

 昨日の天皇杯はJ2サガン鳥栖に2対3での敗戦でした。

 ものすごく悔しい。そして当日のスタジアムMCという立場で言えば、勝たせられず申し訳なく思っています。正直、負けるとは思っていませんでした。ただ、そういう気持ちの時点で油断があったのかもしれません。実際、去年も札幌に敗れているわけでJ2=楽勝ってわけにはいかないんですよね。

 試合を結果論で言えば先制点の取り方が余計悪かったと思います。あんなラッキーゴールを3分で決めたら分かってても油断しちゃいますよ。「やっぱJ2だなぁ」って思っちゃいますよ。僕自身、あの時点で今日はお祭りかななんて思ってましたし…。その見えない油断が敗戦の原因なんでしょうね。

 で、その後は鳥栖の金選手のスーパーボレー。この失点も更なる油断を生みました。だってスーパーゴールですからね。事故で処理されてしまいます。ここでもまだ会場には「いつでも返せるよ」的な油断が残ってましたね。そしたら、さらにもう1失点。逆転でバタバタになり、後半には金選手の今度はスーパーミドルシュート。気付いた頃には「祭り」が「あとの祭り」になっていたわけです。やっぱり、天皇杯は難しいと痛感させられます。でも、あってはいけない結末ですよね。試合後のブーイングは当然でしょう。

 で、すいませんが本題はここからです。

 報道でもあったので現地に行ってない人も知っていると思いますが、そのあと選手バスが囲まれて大変なことになったのです。今日はMCだったのもありまして、遠くで見てただけなんですが。

 あくまで自分もサポーターだと思うんで、その目線で思ったことがあるんです。気持ちはもちろん分かります。ただ、自分が帰るときにエントランスを通ったら選手の奥さんや子供がすごく不安そうな顔をしていたんです。当然ですよね。旦那やお父さんが危ないし、ひょっとすると自分に危害が及ぶと思っちゃいますしね。
 そんな怖がる家族を見たら選手も最悪移籍を考ちゃうんじゃないかなって。恐怖で選手をあと押しなんてないでしょ。フセイン時代のイラク代表みたいなもんですよ。今回のバスの一件は「サポーター」としてやり方が違うと思います。確かにどうすれば勝てるのか、どういうサポートが勝利に直結するかというのは分かりませんが。けど、後半ずっと「戦え新潟」を歌い続けたのは確実に伝わったと思うんです。自分が参加できないのがもどかしいくらいに、サポーターとしての気持ちが伝わってきましたし。あれを分かんなきゃプロじゃないでしょ。

 だからこそ、やっぱり暴力はいらない。ただ、個人的な意見ですがクラブ側がルールでしばりまくるのも息が詰まってよくない気がします。ここは、自分の知り合いに「やりすぎだよ!」と注意することで暴力だけは防げないものかと思うんです。

 自分の文章に笑いが少ないことを恥じながらも、再発しないことを願います。選手とサポーターの信頼関係は大事にしたいものです。

2007年11月5日 19時37分 森下 英矢

PROFILE of 森下 英矢(もりした ひでや)
1981年生まれ。新潟市出身。新潟県を拠点に活動するお笑い集団「NAMARA」のピン芸人。アルビレックス新潟のホームゲームでは場内MCを務め、そのマイクパフォーマンスで4万人のサポーターの魂に火をつけている。趣味・サッカー、競馬、スキー。特技・料理。