1999.07.03 アルビレックスの傾向と対策

アルビレックスの傾向と対策
1999年7月3日

 
みなさんが採点と寸評をたいへん褒めてくださるので、調子にのって、別の企画を書いて見ました。

テーマは「アルビレックスの傾向と対策」。つまり、僕がアルビと対戦するチームの監督だったとしたら、選手にこういう指示をだすだろうなってことをダラダラと書き並べてみました。

企画上、選手の短所を並べることになりますが、選手のファンの方々、悪気はないのでお許しください。

GK #1 吉原 慎也
非常にハイボールの処理が得意である。柴、セルジオとの3人にはライン際まで切れ込んでのセンタリングはシュートまで持っていくことすら困難である。例としてA川崎戦があげられる。しかし高さに強い反面、前後左右、特に前後の動きに難がある。CBとGKの間に早めに低いクロスが入れられると飛び出せずに、シュートを打たれる傾向がある。H大宮戦、A甲府戦の1、2点目などがこのパターンである。また逆にセンタリングとみせかけてのシュートの反応も早くはない。A大宮戦での決勝点となったゴールは(大宮の選手は意図的ではなかったようだが)戻るのが遅れての失点である。

DF #2 木沢 正徳
J2では非常に能力の高い選手である。カバーリングもうまい。タイミングの良い攻め上がりも多くのチャンスを作る。しかし、弱点はこの攻め上がりにある。なぜか攻め上がった後に審判へ暴言を吐き、カードをもらうことが多い。H仙台戦の1枚目の警告にいたってはコーナーキックを得ているにもかかわらずの暴言である。そして攻め上がりのスピードは非常に速く注意が必要だが、ボールを奪ってからはすぐに速攻につなげたい。木沢は上がるときは全力疾走だが戻りは歩きの場合が多い。木沢がDFラインにいないときにどれだけDF陣が混乱するかはH鳥栖戦をみれば明らかである。

DF #3 セルジオ
空中戦が非常に強い。あまり高さで勝負するのは望ましくない。しかし弱点がないわけではない。彼のマジメすぎる性格からか、荒れた試合になると自分を見失い、ミスを連発することがある。H仙台戦の3点目の失点は彼の軽率なプレーから生まれている。そしてフィードにも弱点がある。まずフリーであっても高いボールが来ると迷わずヘッドでクリアする。トラップすればボールを落ち着かせることができるにもかかわらずクリアしてしまうのだ。これを狙われたのがH札幌戦である。フリーなのにクリアしてしまい、アシスのダイレクトスルーパスから吉原に決勝点を奪われている。また空中戦も無敵ではなく、裏をとられることがある。基本的にここは中野がカバーすべきところであるが、中野はカバーリングがあまりうまくない。セルジオの裏はフリーになりやすい。例としてA甲府戦の2点目があげられる。このときは2人が完全にフリーになっていた。

DF #4 柴 暢彦
彼も非常に空中戦が強いが、セルジオ同様に裏にあげられると弱い面がある。例えばH仙台戦は裏にあげられたときに、一瞬ボールを見失い、レイトタックルとなり、PKをとられている。A甲府戦の1点目は右SBが田畑であったことも影響があろうが、柴の裏にいた選手がフリーになって決められている。フィードにも弱点がある。ヘッドでのクリアもセルジオと同じことが言える。またプレッシャーを受けるとパスミスが多くなる。セルジオはプレッシャーをうけるとボールを奪われることがあるが、柴の場合はラインを割ってしまうことが多い。これで攻めのリズムを狂わせることができる。つまりCBがボールを持っているときのプレスは、まず瀬戸、秋葉は完全にマークして徐々にサイド、セルジオは左、柴は右に追いこむとミスを誘うことができ、ボールを奪うことができる。

DF #12 中野 圭一郎
4人のDFのなかでは1番能力が劣っているので狙い目である。カバーにきたセルジオをサイドにひきつけてからの速いセンタリングを狙いたい。また秋葉がカバーに来ることも多く、この場合5バックとなり、仮に中盤にボールが出ても攻撃に厚みがなくなる。例としてA川崎戦があげられる。攻撃面ではリカルドが出場してないときは良い体勢でボールをもらえず、センタリングも精度が低い。しかしリカルドが出場しているときは精度の高いセンタリングを上げてくるので注意が必要である。例としてH大宮戦での2点目は2人でサイドを崩してからの得点である。(補足、リカルドからオーバーラップした中野にパス、センタリングを水越が折り返し、鳴尾のゴール。)

MF #22 秋葉 忠宏
基本的にあまり弱点がないが、豊富な運動量は利用することができる。上記の様にCBにプレスをかけると秋葉がスイーパーの位置に下がってボールを受けにくる。ここでも5バックとなり、攻撃が淡白になり、ボールを奪いやすい。攻撃面ではほとんど恐れる必要はない。展開力が低く、ミドルシュートを打ってくるわけでもない。ドリブルで切り込むこともなく、フリーの選手にボールを渡すだけのことが多い。

MF #7 瀬戸 春樹
チームの中心選手である。完全なマンマーカーをつけたい。それも少しばかり凶悪な。彼を負傷退場させることができれば勝利は大きく近付く。なぜなら攻撃のほとんどが瀬戸から始まっている。得点能力が高くボランチながら現在チーム得点王である。そして彼のパスから得点が生まれることも多く、A川崎戦の鳴尾へのパス、H東京戦のPKを誘った鳴尾へのパスなどが例に上げられる。
また得点にはならなかったもののA大宮戦でも素晴らしいスルーパスを連発している。鳴尾との相性が良いので注意が必要である。また瀬戸を封じ込めることは木沢の上がりを抑えることにもつながる。木沢の攻め上がりはほとんどが瀬戸ー木沢、瀬戸ー水越ー木沢と瀬戸を経由してることが多い。また瀬戸がピッチの中央にいると攻めづらい。そこで鳴尾のロングスローのときがチャンスとなる。鳴尾が投げるとき、瀬戸かセルジオが競ることになり、競らない方が最終ラインに入る。つまりここで速攻をかけることができれば、中盤のプレスが少なく、ゴール前に長身選手が少なくなり、チャンスとなる。

MF #6 水越 潤
彼は長所は運動量をいかしたチェックとドリブル、前線への飛び出し。
基本的にスピードのある選手ではないので冷静に対処したい。ドリブルは中盤の中央が多い。これは木沢のあがるスペースを作ることとサイドを上がるドリブルよりスピードを必要としないことからだと思われる。ドリブルはDFラインまで仕掛けてくることはなく、ミドルシュートも打たないので中盤にいるかぎりは危険ではない選手だ。注意すべきは前線への飛び出しでスピードのない彼が鋭く飛び出せるかは素早い判断力が大きい。ここを抑えるにはまずパスの出どころを抑えるようにしたい。ほとんどがリカルドからパスなので、リカルドがボールを持ったら注意が必要だ。

MF #9 リカルド
典型的なパサーであり、ドリブルやミドルシュートはほとんど見られない。中盤の4人の中で1番体力がないのでプレスがあまく、狙い目である。試合終盤になると消えていることが多い。チーム得点王だが得点能力はあまり高くない。まずゴール前まで上がってくることが少ない。アシストを主に狙っている選手である。彼のCKやFKなどのプレースキックは精度が高いのでペナルティエリア付近でのファールはできるだけ控えたい。もしFK、CKとなってしまった場合1番気をつけなくてはいけないのは瀬戸である。1番マークを外す動きがうまく、H甲府戦の瀬戸の2点目は完全にマークを振り切っていた。セルジオ、柴はマークを外す動きが小さいので振り切られることはないだろう。

FW #11 鳴尾 直軌
絶え間なくチェックを仕掛けられるだけのスタミナはあるがスピードと高さがないのでストライカーとしては怖くない。しかしDFと体を入れ替えるプレーが得意であり、こちらは注意しなくてはいけない。瀬戸からのパスが多く、一気にGKと1対1になる場合がある。対処の仕方としては鳴尾は体を入れ替えるとき、またスルーパスをうけるとき、左回りに体を入れ替えての突破が多い。DFははやめにコースに入っておけば、鳴尾は体を入れ替えられずに、ボールはGKが楽々と処理できる。これはオーバーアクションをする選手の場合は進路妨害のファールになる場合があるが鳴尾はオーバーアクションをしない選手なのでファールはとられないはずである。また鳴尾は空中戦の弱さを克服するために、中盤で競るときに肩に手をかけるクセがあるので審判へのアピールを忘れないようにしたい。審判によってはほとんどファールをとってくれ、労せずマイボールとなる。

FW #10 サウロ
好不調の激しい選手であるが、のってくると手がつけられないので注意したい。基本的に熱くなりやすい性格なので試合当初から厳しいチェックを行うとファールをもらいにダイブを繰り返す。そうなれば自らリズムをこわし、ミスを連発する。そしてミスをすると動きが止まるクセがあるのですぐに速攻に結び付けたい。できるだけ早くに彼を怒らせることが必要である。なぜなら彼がのってくると大量得点になる場合がある。H甲府戦、H鳥栖戦が例として上げられる。しかし彼は先制するまではあまり怖い選手ではないが、追加点にはよく絡んでくる。またトリッキーなプレーは観客を湧かせ、さらにのってくるのだ。そうならないためにも早めに対処するのが望ましい。

監督 永井 良和
まず言えることは流れを変える采配ができる監督ではないということだ。17試合で逆転勝ちが1つもないというのは珍しい。しかし流れをこわす采配はしない。逆転負けも1つもないのだ。かといって逃げ切りの采配が得意というわけではなく、流れを変えられないというのが実情であるようだ。蛇足ではあるがこの監督は勝利のみを目指しているような印象をうける。チーム全体のレベルアップも大事な監督の仕事であるのだが、スタメン、ベンチのメンバーが半ば固定化されているのはサブのモチベーションを下げることにほかならない。このチームで長期間指揮をとる気が希薄であるととられてもしょうがない。

これらをまとめると、まず瀬戸、サウロをまず集中的にマークをして、基本的には向うの左サイドを狙って攻め、木沢が上がった場合は早めに右からの速攻をしかけたい。攻撃は速いセンタリングをCBの裏を狙うようにしたい。基本的にVゴールの試合のように集中して戦う必要がある。先制点がほとんど勝負を分けるからだ。

一応、最後まで書いてみましたが、ほとんど失敗です。僕自身の作文能力の不足から失点の解説、事実の羅列のみになってしまいました。最後まで読んでくれた方々、ありがとうございました。