その3 「水曜日、午前3時、OKが・・・」

長居で筋肉マンを力説するイケてるようなイケてないようなボーイ。ラジカセを持っている姿を見かけたら、どうか彼を新潟のゴール裏に連れてきてください。(注)

午前1時過ぎ仲間2人と近所のトラックターミナルに向かった。真っ暗な中、たくさんのトラックが止まっているが寝ているようだ。さすがに声はかけられない。起きている人を探していると電気の付いた一台のトラックを発見した。ヒッチハイクなんてしたことないので死ぬほど緊張していた。なんてバカなことをするのだろうとも思った。だけど大阪に行きたい。行きたい行きたい。この思いが行動に移させる。「深夜にすいません19:00までに大阪行きたいんですけど行きませんよね?」
失笑だったのかもしれないが、僕には優しい笑顔に見えた。
「行かないなあ~」「市場の方に行けばいるかもよ。入れるかわからないけど」この一台目のおっさんに恵まれた。冷たい人だったら、あっさり諦めていたかもしれない。人の優しさをここまで強く感じたのは本当に久しぶりだった。

が、次の瞬間自分の愚かさを実感する。ナンバーは習志野。大阪行くわけねーじゃん。そのあとは関西圏のナンバーを中心に声をかけまくる。この時僕は本当に必死だった。神戸、大阪、久留米、佐世保、鹿児島…何台のトラックに声をかけただろうか。もちろん優しい人ばかりではない。そんなに甘くはないのだ、と落ち始めていた頃仲間も帰宅する。ここまで一緒にいてくれた事に感謝だ。そして再び一人で声をかけた。午前3時を回った頃、ある運転手から初めてOKがでたのだ!だが「あしたの夜遅くに大阪着くけどそれでいいなら乗ってけ」「水曜は市場休みなんだ。だからここに止まってるトラックのほとんどが木か金曜帰りだと思うぞ」ダメじゃーん、やっぱ無理なんかな。。つづく


2005年7月13日(水) Vol.3 16節セレッソ大阪戦号 「Zのヒッチハイク日誌」

注:筋肉マンとは当日配布していた長井スタジアムの名物サポ。何故かラジカセで筋肉マンのテーマをガンガン流しながらアウェイ側をたむろしていた謎の危険人物。思えば昔は博多のニュータイプとか現地の名物サポがいましたね。
(Albiway編集部)