1999.08.15 第21節 MatchReport 川崎×新潟

1999年8月15日(日)18:00キックオフ
於 等々力陸上競技場
川崎フロンターレ 対 アルビレックス新潟 ○ 0-1

 
 思えば5ヵ月前に軽い気持ちで等々力へJ2開幕戦を見に来たのが、僕の人生を狂わせてしまったような気がする。息のつまるような緊張、勝利による感動、あの瞬間、新潟に生まれたということを誇りに思った。その感動をもう一度思い出すために1時間前にはスタジアムへ到着したいと思っていたが、またもや遅刻。武蔵小杉に着いたのは5時半を過ぎていた。あわててタクシーでスタジアムへ。

 スタジアムの中に入ったときにはすでにスタメン発表が終わっていた。今回はゴール裏2階へ陣取る新潟サポーター。あれ?今回はすこし人数が少ないな。お盆だからしょうがないのかな、と考えながらゴール裏2階へと急ぐ。

 すぐさまスタメンおよびサブメンバーの確認。やっぱりサウロは来てないのか。でも太一がサブに入ってる。今回は出てくるかな?
とりあえず前節のコンサ戦と同じメンバーでスタート。いまだに前節の興奮が少し残っている。今日もアツい試合にあるのだろうか?6時にしては暑くなくときおり風も吹いて涼しく感じる。

 そしてキックオフ。お互い様子見だろうか。なかなか前に出て来ない。7分すぎてようやく川崎ティンガが初シュート。これで試合が動くかな。いや、それでもノンビリペースはかわらない。ケガで試合が止まった瞬間、両チームの選手ほぼ全員が給水。ピッチ上ではかなりまだ暑いみたいだ。

 両チーム、動きが悪い。特に川崎フロンターレ。これが本当に引き分けをはさんで11連勝を続けているtームなのか?どうもお互い凡ミスが多く、試合に乗り切れない。

 お互いのミスからチャンスを作る両チーム。先制点もミスがらみ。ゴール前に走り込むシンゴにパス。しかし精度が悪く、川崎の選手のところへ。しかしなぜかDFがクリアミス。シンゴの前にボールがこぼれる。ここは絶好調のシンゴ。やすやすとGKをかわして、右足でゴールへ流し込む。

 喜ぶべき先制点。うれしいんだけどなにか釈然としない。多分、この試合、こっちがパスミスしなきゃ勝てる気がする。だって相手の調子が悪すぎる。本当に真剣にやっているのか?どうしてもコンサ戦と比べてしまう。あきらかにアツい試合ではない。

 そこからアルビが守備的になり、後ろで回す時間帯が増えてくる。決してアルビも調子が良いわけじゃない。でも負ける気がしない。それくらいフロンターレには勝とうという気持ちがみられない。前半で覚えているのはシンゴのゴールとこちらのゴールキックのときのセルジオの「上がれー、上がれー」の指示くらい。どうも見どころが少ない。

 前半が終わり、他の試合の結果がオーロラビジョンに映し出される。大分が負けたため、勝てばアルビが3位。東京は延長の末、山形を下して川崎が負けると首位となる。

 後半開始、まず瀬戸が中盤でボールをカット。鳴尾へスルーパス。GKと1対1。しかしシュートはGKに防がれる。この場面、とてもたくさん見てる気がする。鳴尾ってGKと1対1になると必ずクロスにシュートうって止められるんだよな。たまにはストレートもうてばいいのに。

 極端なくらいDFラインを下げ、守備固めに入るアルビ。FWからバックパスしてGKまで下げちゃう場面も見られた。なんか試合巧者って感じ。どっちが首位なんだか。

 それにしても勝ってようが負けてようがボール持ったら上がれ~。シュート打て~。ってヤジ。これ、個人的に大キライ。前ばっかりボール進めるのは相手にとっては守りやすくて、点とりづらいんだって。しかもこの試合、あきらかに先制して逃げ切りを狙って、スキを見てカウンターを狙ってるんだから。へんにあおらないでね。

 だからコールもおさえめが多く、どうも不完全燃焼。1対0はアルビの得意の形だから、こっちも落ち着いたもの。むしろ外しつづける攻撃陣に頭を抱える浦上を見てしまう。唯一ともいえるピンチも木寺がファインセーブ。あ、浦上ショックで倒れ込んでる。まさに殴られ方もサマになってきたというか、攻められ続けても大事なところはキッチリおさえるところなんてまさにアルビらしい。

 川崎で勝ちたいと思ってるのは森川だけなんじゃない。森川だけ動かない前線に頼らず、ドリブルで前に進んでる。しかし一人じゃどうしようもない。カウンターしかけられても戻れず、ロスタイム入ってからなんかは鳴尾や水越が川崎陣内でボールキープしちゃう余裕を見せる。こういうトコ成長したな。勝ち方が分かってきたというか。かえすがえすもどっちが首位で11連勝してるか分からない。

 試合終了。首位に勝ったことはうれしいけど、試合に勝ったことはあんまりうれしくない。あんな相手じゃ勝って当然。それくらい今日のフロンターレは悪かった。J2の中ではフロンターレはずば抜けて強いと思ってただけに残念。こんなにあっさり勝っちゃうなんて。

 まあ、こんな日もあるのかな。とりあえず、次、木曜の甲府戦。思えば10節首位東京を倒して、余裕持ってたら小瀬で0ー3で完敗した相手。今回こそは取りこぼせないぞ。

【採点と寸評】

GK #1 木寺 7.0
枠にシュートが来ることが少なかったせいもあり、プレー機会は少なかったが、ほぼ完璧なセービング。後半途中のフリーでうたれたヘディングシュートを防いだファインセーブはさすが。キックに関しても問題なし。

DF #2 木沢 6.0
木沢個人としてはほとんどミスはみられなかったが、主将としてもう少し周りを落ち着かせるための声を出してほしかった。攻め上がりを抑え、守備に専念した形で攻撃にはあまり参加しなかったものの、最後まで集中を切らさずにプレーできた。

#3 セルジオ 6.0
基本的にツゥットにマンマーク気味のディフェンスでほぼ完璧に抑えることができた。空中戦での強さやコボレ球への反応も早かったが、スピードのある選手に振り切られそうになる場面やマークを離してしまう場面があるなど問題点も多かった。

#14 高橋 5.5
空中戦、1対1などディフェンスに関しては問題はほとんどないが、フィード、特に左サイドに開いてからのミドルパスにミスが多くチャンスをつぶすことが目立った。

#12 中野 6.0
木沢と同じく、攻撃を控えて守備に重点をおいてのプレー。後半途中にケガをして途中交代をするまで安定した守備をみせた。いままで度々あった2人で囲んだときに間を割られることもなく、1対1でも抜かれることもなかった。

MF #22 秋葉 6.0
ときおりミスパスもあたったものの守備に関してはよく中盤で食い止めていた。しかし後半途中からはディフェンスラインに入ってしまい、押し込まれる原因となった。

#7 瀬戸 5.5
ときおりスルーパスなど見せるが疲労がたまっているのだろうか、運動量が少なく、何回か単純なミスがあった。枠には行かなかったもののミドルシュートをうったり、攻撃にからもうという意志は見えた。

#6 水越 7.5
まさに縦横無尽の活躍。相手両ウイングバックの守備から前線への飛びだしなどあらゆる場面に登場。ドリブルも切れており、惜しいシュートもあった。後半終了間近の敵陣コーナーでのボールキープなど最後まで勝利に貢献。

#9 リカルド 5.0
全体的にスルーパスを狙いすぎて持ち過ぎの場面が目立つ。また球際の弱さ、ラストパスを右足で出すことに固執するなどあまり良いところがなかった。

FW #11 鳴尾 5.0
空中戦ではほとんど勝てず、後半の1対1の場面もキーパーにキャッチされる。足元にパスがほしいのかスペースでうけたいのか迷いが見える。相手コーナーキックのとき、鳴尾がファーのディフェンスに入ることがあるがマークすべき選手を見ているだけで競りにいかないのは問題。

#17 鈴木 5.5
決勝点となる1点を決めたが、ドリブルで勝負を仕掛ける回数が多く、疲労がたまってきた後半はことごとく相手に取られる。足元のポストプレーにもミスが多かった。運動量も少なく、前線での動きが少なく消えている時間帯があった。

#8 筒井 -
#18 島田 -
プレー時間が少なく評価不能。

監督 永井 7.0
カウンターを狙って、ディフェンスラインを深めにとり、両WBをサイドのMFとDFではさむ作戦が成功し、まさに狙い通りの展開。ただ、疲れ切っていたシンゴを交代させなかったのは疑問。