1999.08.29 第23節 MatchReport 大宮×新潟

1999年8月29日(日)18:00キックオフ
於 大宮公園サッカー場
大宮アルディージャ 対 アルビレックス新潟 ● 3-1

 
 昼間のアル関サルの疲れがかなり残っている。大宮駅から大宮公園までの道を歩いただけで汗が止まらない。8月の終わりとはいえ、まだまだこの暑さが衰えることはないようだ。

 前回の大宮公園での試合はかなり悔しい思いをしたので、今回こそはかならず勝ちたい。しかし、内容はつまらないサッカーになるだろう。僕には自信があった。ロングボールの蹴り合いになるに違いない。

 攻撃はロングボール主体で守備は早めにプレスをかける大宮。前回の対戦で永井監督がとった戦術は浅いラインの裏を狙ってDFからロングパスで攻めるというもの。それはサイドバックのオーバーラップを主体とした、いままでの新潟の攻めの形を捨てるということにもなる。

 すでに俊足の河原塚が大宮遠征のメンバーに入っていると聞いていたので、間違いなく同じ戦術をとるだろうと確信。

 最初はお互い、様子見。というよりアルビのプレッシャーをかける位置が低い。これじゃ簡単にボールを前に運ばれてしまう。たしか相手の10番マーク。すごい不評だって聞いたような気が。でもなかなかどうしてパスも正確だし、前線へも飛び出してくるし、運動量もあるぞ。監督に怒られたのかな?

 ここ大宮公園はスタンドからピッチがあまりにも近すぎて、両サイドの副審を見るためには大きく首を振らなきゃいけない。結構疲れる。

 しかし、大宮のFWをセルジオがしっかり抑えて、サイドから攻められてもSBとSHがうまくはさんでディフェンスしている。シュートさえも打たせないなかなかのディフェンス。でも小坂がCBの前でポストプレーでボールを散らされるとちょっと危険かな?

 両チームとも思ったほどロングキックを蹴ってこない。心配することなかったかな。お互いショートパスをつなぎ、激しい中盤での争い。

 自分の見る目のなさを再確認。マーク全然ダメ。良かったのは最初だけ。

 そしていま1番のっている男シンゴ。現在4試合連続ゴール中のシンゴがボールを持つたびに声援にも力がはいる。シンゴなら今日もやってくれるに違いない。地元埼玉での試合だし。

 そして開始13分、やっぱりシンゴがやってくれました。スルーパスを受け、シュート。途中でDFを振り切ってたけど、そんなに足が速かったとは知らなかった。

 足が速いだけじゃなく、空中戦の競り方も格段に成長してる。ジャンプの最頂点でうまく競って、ボールを落とせるようになってる。シンゴ、まだまだ成長の余地あり。

 あれ?先制したのになんか勢いがないなぁ。いつもなら見違えるくらい動きがよくなるはずなのに。前節の甲府戦の影響かな、ラインがどんどん深くなってる。ボールを取られたらだれもプレッシャーをかけずに、ズルズルと後退。それじゃ大宮が簡単にハーフウェイラインまでボール持ってこれちゃうぞ。

 つまり相手DFがハーフ近くでボールをフリーで持てるということ。
まさか?やっぱり。壮絶なロングボールの蹴り合い。あっちがロング蹴るからこっちもロング蹴る。

 こっちのDFにはセルジオがいるから、とくにピンチにはならない。
そして攻めでは正確なロングボールを蹴れる人がいないからチャンスを作れない。

 見てる方にしては退屈きまわりない。前回と一緒。大宮公園のゴール裏の料金は800円。これ相応の試合。

 そこにポツリポツリと小雨が。まさか、降らないだろう。だって降水確率20%だったし、空もそんなに雲ってないし。

 しかし、雷の光りとともに降ってきました。ますますイヤな予感がしてくる。雨降ると勝てないんだよな。

 そしてまたもやポンチョを忘れ、雨にズブ濡れ。でもいい。勝ってくれればまったく問題なし。雨でゴール裏から人が若干減った分、より大きな声で応援。ここで苦手の雨を克服しよう。

 そして前半が終わりにさしかかったころ、セルジオが木寺に左足でバックパス。大きくずれる。おいおい丁寧にだそうよ。セルジオ。ってセルジオが左足を押さえてうずくまってるよ。

 ここでセルジオの交代は痛いぞ。タンカにのせられ、ピッチの外に運び出される。しかし、しばらくしてからピッチに復帰。でも足おさえてる。大丈夫かな?

 前半のロスタイムはどれくらいかなと思ったら、主審がカミナリのために試合を中断。選手が全員、引き上げる。

 おいおい、勝ってるんだから、中止はいやだぞ。たしかここ大宮公園って停電になったことがあったような。それにあと1、2分なんだからキリのいいとこまでやらせてくれよ。

 これで中断ってのもすごい話しだ。前節の甲府戦に比べたら、全然なのに。

 しばらくして選手がピッチへ出てくる。のこりの前半がドロップボールで開始。あれ?セルジオが柴に代わってる。やっぱ、ダメだったのか。でも柴は空中戦が得意だし、そんなに影響が残らないように期待。

 そして前半終了間際。ペナルティエリアのすぐ外でのFKを得た。ここで追加点を取れるとかなり勝利に近付く。頼むぞ。リカルド。

 しかしFKはわずかにワクの外。惜しい。ここで前半終了。

 どうも嫌な予感がしてしょうがない。でも周りの人は楽観的なんだよな。
前半のオフサイドとったときの例のコールやったときも完全フザケモードだったし、江戸川で聞いたときはもっと良かったはず。まだ1点リードしてるだけだし、雨降ってるし、前節見てたらそんなに余裕持てないと思うけど。

 そして後半が開始される。今度はこっちに攻めるアルビ。1日の東京戦以来目の前でゴール見てないぞ。
今日は見せてくれよ。

 しかし中盤の不用意なミスから一気にカウンター。左サイドを破られる。
ヤバいぞ。磯山しか高いのいないんだからそいつだけは抑えろよ。その瞬間、磯山がゴール中央からファーに動く。あ~、アルビの失点パターンだ。ファーにいかれるとマークを外すことが多い。あわてて木沢が体を寄せるものの、ヘディングシュートを決められる。

 何回同じことやられてんだよっ。

 後半開始1分に失点されてはさすがに動きも悪くなる。しかも相手がロングボールだけじゃなくてドリブルも交えながら攻めてくる。もうDFラインがボロボロ。藤田が特にやられてたかな。

 もうミスのオンパレード。とくに柴っ。何ビビってるんだよ。何試合もスタメンで出てるんだから、ここでアピール必要なのに。直接スタンドに入らんばかりのミスパスはやめてくれぇ。

 散々左右に振られ、ドリブルで突破され、小坂に決められ逆転される。
ここで監督が決断。筒井と河原塚を同時に投入するようだ。

 河原塚。アウエーの鳥栖戦でしか公式戦は出場してないから、生で見るのは初めて。けどFマリとの練習試合で見たかんじはちょっと雑なプレーが多かったし、さらに蹴り合いになりそうで少々不安。

 交代は鳴尾と秋葉。2人ともうつむきながらピッチから出ていく。

 そこから河原塚が何回かチャンスを作り出すものの、すぐにクセを読まれ、もう手詰まりの状態。

 3点目をとられてから、ようやく本来のパスをつなぐサッカーをやりはじめCKを何回か得るが結局そのままタイムアップ。

 冗談じゃない。勝つ気があるのか。僕には選手から気迫が感じられなかった。こっちに歩いてくる選手に背をむけ、得点板の下で選手を見下ろす。
今日は拍手しない、声もださない。ふがいない。情けない。

 つぎは仙台戦。東京、札幌、川崎3連戦で勝ち点7をとったのに、甲府、大宮で勝ち点1。つぎは絶対落とせないぞ。憤然としたまま家路についた。

【採点と寸評】

GK #1 木寺 5.5
結果的には3失点だったが、2回ほどあった決定的なピンチをファインセーブで防いでいた。DFラインが総崩れになった後半はもっとコーチングでマークの確認、ディフェンダーへの叱咤激励が必要。

DF #2 木沢 5.0
最初は調子が良かったのだが、前半途中に岡本にバックチャージを受けてから運動量が落ちた。木沢らしい攻め上がりもほとんど見られず、味方を叱咤激励する姿も見られなかった。ロングパスのミスも多く、サイドチェンジや早目のクロスがほとんど敵にとられていた。

#3 セルジオ 6.0
得意の高さをいかした空中戦ではほとんど競り勝ち、前半の無失点に貢献。ただ、ときおりサイドをえぐられたときにマークをはなしてしまう場面が見られた。前半終了間際に左足でGKへバックパスを蹴った際に倒れこみ、1度ピッチに戻ったもののその後、柴と交代。

#14 高橋 5.5
前半は無難にこなしていたが、攻め込まれた後半はあせりがみえた。セルジオの交代によりDFリーダーになったが、ほとんどDFの修正ができず、パニックになっていた。フィードに関してはあいかわらずミスが多い。

#5 藤田 4.5
前半、そして後半の10分まではよかったのだが、そこからミスを連発。何回もドリブルでかわされ、DFラインが崩れる一因となった。また攻め上がりも少なく、得意のサイドからの攻めができなかった。久々のフル出場とはいえ中野からレギュラーを奪えるだけのプレーはほとんど見られなかった。

MF #22 秋葉 6.0
いつも通り、早めのチェックで相手の攻撃の目をつんでいたので途中交代は不可解。警告となったプレーはあそこで秋葉が止めなければ確実に1対1になる場面だったのでしょうがなかった。特に今日はいつも以上にパス出しが良かっただけに残念。

#7 瀬戸 6.0
前節までに比べて体のキレがもどってきた。中盤でのミスパスもなくなり、攻め上がりのスピードもあがった。しかし、サイドバックが上がらないうえに受け手となる鳴尾が抜けてからパスをだすところを探す場面が目立った。

#6 水越 5.5
トラップミスなど簡単なミスやあまりチェックにいかないなど水越らしからぬプレーが目立った。全体的に運動量が少なく、ボールにあまりからめず、前線への飛びだしもなかった。

#9 リカルド 5.5
試合が蹴り合いになったため、あまりボールにからめなかった。瀬戸同様パスの相手を探す場面が目立った。CKについては少し精度が悪かった。

FW #11 鳴尾 5.0
ポストプレーそんなに悪くないが、相手DFとの1対1の場面で抜きにかかるわけでもなく、味方の上がりを待つわけでもないドリブルが目立った。結局DFにとられ、チャンスをつぶしていた。この試合にかぎらず、DFをかわしてシュートをしようという意志がみえない。

#17 鈴木 6.5

ときおり、消える時間帯があるものの1度ボールを持つと果敢に突破を狙っていた。ダッシュも速く、空中戦でもうまくジャンプして競っていた。
得点の場面に象徴されるように最後まであきらめないプレーが目立った。

DF #4 柴 4.5

セルジオのケガによりCBに入ったが前節同様、動きがぎこちなかった。空中戦には強さを見せるがフィードに関してはほとんどがミスパス。
また後半パニックになってマークを何回も外していた。

MF #8 筒井 4.5
秋葉のかわりにボランチに入ったがほとんどボールにからめず。

FW #19 河原塚 5.5
交代直後はチャンスを作ったが、その後、ほとんどボールにからめず。基本的な技術が不足しており、ポストプレーなど、足元のプレーが雑なことが多い。スルーパスを引き出す動きもほとんどできなかった。

監督 永井 4.0
前回の対戦からまったく反省がみられず。大きく蹴ってくる相手に合わせて大きく蹴るサッカーをして、持ち味のサイド攻撃がまったくできなかった。また大きく蹴ってくることが予想されながら必要以上にFWがチェックにいく位置が低く、ロングパスの出どころを抑え切れず。