2007.11.19 You Are The Universe

 早いもので2007シーズンも残りわずか。優勝争いからも離れ、残留争いにも巻き込まれることなく、おまけに天皇杯も終了してしまって、「え?もうお終いなん?」と正直なんだか気の抜けた感じではある。

 とはいえ残り2試合、確実に連勝さえすれば5位の座はキープできる。他人事のように「5位ってすげえな」と思うのは、やはり、今シーズンは試合をあまり見ていないこともあるのだろう。いまいち「5位=当然」という確たる実感がないのも、偽らざる気持ちだったりする。

 実感がないといえば、08年でJ1での戦いも5シーズン目。J2を過ごしたシーズン数とようやく同じになる、とこうして自分で書いていても正直ピンと来ない。いまだに昇格したあの大宮戦がつい先日のことのように思えるし、逆に言えば、あれほど印象に残る勝ちゲームが、J1に上がってからは私の記憶のなかには残っていないからなのだろう(記憶力がない、ともいう)。

 今シーズンもお約束のように「サポーターが選ぶ今シーズン・ベストゲーム」というアンケートがあるはずだが、記憶力の乏しい私にとっては当然のことながらすぐには思い浮かばない。この目で見た数少ない試合のなかから、あえて選ぶとしたらホーム浦和戦になるのだろうか。勝ってないけどな。印象に残るという意味で言えば、アウェイ川崎戦。案外、負けゲームの方が印象深いものなのだ。05年の天皇杯磐田戦とか。

 昇格を決めた03年の大宮戦よりも、その前年の第4クールでのC大阪戦の方がインパクトははるかに大きい。きわめてライトな感覚で観戦に行って、勝ち負けを超越した感覚を思い知らされたのは、あとにも先にもあのときだけだ。

 「来年も昇格争いができるのだろうか」「反町さんは…」など、明るい希望のまったくなかったあのときから5年後、まさかアルビレックスがJ1で5位を目指す位置にいるなどとは、到底思えなかった。一方、昇格を決めたはずのC大阪が、5年後に再びJ2でもがき苦しんでいることも…。5年の歳月はなんと儚く、なんと恐ろしいものなのだろう。

 個人的にもこの5年間は、関西→新潟→関西と環境の変化が多いタイミングでもあったので、「あっという間やなあ」感が普通の人よりも大きいこともある。が、これから先の5年間はアルビレックスにも、そして私個人にとっても、安定した、しかも上位で安定した日々であってほしい、と切に願ってやまない。

 5年後の12年。W杯でアルビレックスの選手が活躍してくれるとか、タイトル獲得とか、リーグ制覇とか、アジアとか、夢は広がり続けるだろうし、欲望というか妄想はとめどなく溢れてくるけれど、目に見える実績だけを求めているわけでもない。

 サポーターの人もサポーターじゃない人も、おじいちゃんもおばあちゃんも、生まれたばかりの赤ちゃんも、本当の意味で「アルビレックスが新潟の誇り」と思ってもらえる存在になることの方が大切なんじゃないか、と、新潟から遠く離れたここ大阪の、あるオフィスの一角で思ったりする。

 “誇り”と思ってもらえるためには、選手やスタッフのがんばりだけじゃなくて、クラブの人たちも、当然サポーターの人たちにも、努力が求められるはずだ。別に特別な努力が必要なんじゃなくて、「自分の立場で何ができるのか、何をすべきなのか、そしてその内容は世間一般的に考えて間違っていないのか」を考える姿勢なんじゃないだろうか。

 5年後、大阪でも「新潟って、なんかすごいやん」と言われるように、少しは考える姿勢を持とうと思う。

※横浜FC戦に行くつもりが東海道・山陽新幹線のトラブルによるダイヤの乱れで見ることができなかったため、急遽、内容を変更させていただきました。とりとめのない話でホンマスンマセン。

2007年11月19日 14時32分 塚田 義

PROFILE of 塚田 義(つかだ ただし)
1972年生まれ。新潟市出身。進学を機に神戸へ。初めてアルビレックスを生観戦した2002年7月の長居(セレッソ大阪戦)以来ズブズブとゴール裏へ。ナニワナイトや関西発バスツアーなど今年も画策中。