2007.03.12 闘え!新潟

 浅妻さんが一人で書いていたのも含め、今まで楽しんでいただけのサポーターコラム。何故か遥か遠い(まあ、ネットに距離は関係ないけど)魚沼の私に白羽の矢が当たりましたので、12月までの10回、生暖かく見守っていただけたらと思います。

 正直ネタもそんなにある訳じゃ無し、どんなもんだろと浜崎一なる人物と雑談していた中で、プロフィールは自分で書く事になっているという事を聞いたの で“そんなの自分じゃ書けねーよ”と言ったら“じゃあ俺が書く”と彼が言うので丸投げしました。ということで自分のプロフィール、実はまだ見ていません。人でなしの彼がどんな事を書いてくれたのか楽しみでもありますが、良い事書いてくれていたら彼は多分、私が思っているよりイイ奴です。

 待ちに待ったホーム開幕。プレシーズンマッチがあったって、開幕戦が大分であったって、やっぱりホーム開幕は特別。それは新加入の選手には特に、って事になるんじゃないだろうか。

 いつもの様に魚沼のみんなとバスに乗った(注:プロフィール)。というか、今回はじめて、てじまやバスとひげ@和泉屋バスの2台が出た。昨シーズン以来という人もいれば、オフシーズンも毎週の様に見ていた顔もある。でも、全員満面の笑顔。本当に今日という日を待ってましたっ、てのが誰からも伝わって来る。

 バスの中では新戦力の選手の話に花が咲く。昨オフ、ファビーニョ、船越をはじめ、10人以上の選手と契約しない事となり、涙無くしては語れない、思い入れの強い選手達との別れの連続。そしてなかなか発表されない新加入選手。タメテタメテ発表された分、嬉しさ倍増の感は確かにあったが、今年は今までとは違った補強が出来たというのは多くのサポの思うところだろう。

 でも、自分がそれ以上に嬉しかったと思うのは、去年いた選手の中で他に誰も自ら新潟を出て行かなかったという事。

 勿論、全員が他のチームから誘いが無かった訳ではないだろうし、各選手それぞれの事情と理由があったと思うが、結果的に全員が新潟というチームを選んでくれたという事、これは本当に幸せな事だし、感謝しなければならない事だと思うのだ。

 自分は今でも、“全てを新潟の為に”という海本慶治の言葉を忘れる事はないし、慎吾、寺川、勳、光、野澤、北野あたりは、それこそJ2時代からチームと共に成長して来た選手だ。無念にも新潟を去らなくてはならなかった選手達が置いて行った魂も、体に染み付いているはずである。

 勿論新加入選手に期待通りの活躍をして欲しいのは当然であるが、もしあっさりと(あくまでも、あくまでも見た目的に)ポジション取られたらちょっと寂しい思いも感じてしまう。プロアスリートに“頑張れ”なんて言葉はむしろ失礼なのかもしれないが、その辺の気合いを何らかの形で感じる事ができたら、自分はとても嬉しいのだ。

 エメルソンにチンチンにされたあの試合から、浦和戦は自分の、チームの力を計るバロメーターのひとつになった気がする。勿論浦和は当時から比べても、昨年はリーグ戦、天皇杯の2冠を制覇し、押しも押されもしない、文字通りのチャンピオンチームになった。ウチが成長しているなら浦和だって相当成長している。そんなチームとホーム開幕で当たるのは、今年のチーム力を計る上では絶好のチャンスと言えるだろう(ほとんど強がり)。

 その内容はと言えば、横殴りの雪の中、前半後半で1点ずつ失い、共に交代で入ったワールドユースコンビの河原、亜土夢が88分、89分でそれぞれゴールを奪い追いつくと言う、なんとも劇的な結果となった。当然の事ながら勝った訳でもないし、失点シーンもチャンスを逃したシーンのいくつかも“しょうがねえな”と思えた訳でもない。思えたとすれば、それはタダの諦めだ。その時、自分の頭に浮かんで来たのは“闘え!新潟”。そしてこの“闘え!新潟”を簡単に、しかも凄く的確に表した言葉、キャンプ中に監督が選手にかけたとされるこの言葉だ。

 「暑くても、寒くても、疲れていても、どんなに相手が強くても、サッカー選手としての魂を失ってほしくない」。試合中、そして練習でもそれを忘れずに闘えば、きっと新潟のサッカーがレベルアップするに違いないと思った。

 スタジアムを出て、これから1年どんなサッカー見せてくれるのか想像しながら歩いていたら、ワクワクしてきて吹き付ける雪も感じる事無く、あっという間に駐車場のバスまで来ていた。

2007年3月12日 18時02分 村山 友康

PROFILE of 村山 友康(むらやま ともやす)
1967年生まれ。十日町市出身。神田先生が新潟に帰って来たということで、市陸で初観戦。元々浦佐の温泉旅館”てじまや”の主人とその周辺の人達が応援に出かけるために出していたバスを他人である村山が途中からバスジャックに成功。通称「魚沼バス」としてプロデュースし、アルビの観客動員に貢献している。ちょっと堅気には見えない顔をしているのが難点だが、魚沼周辺でアルビの友達を作りたい人は勇気を持って話しかけてみよう。(浜崎一さんより)