先週で、2001年シーズンを振り返る「プレイバック」シリーズを終え、いよいよJ1リーグも再開である。プレイバックしていたせいか、未だにボケボケ。再開第一戦となった、日本中が注目(してくれははずの、笑)首位、3位の直接対決も、自分たちのキャンプ中で見ることが出来ず、モバアルの試合速報メールだけで知っただけだった。もちろん、ビデオは録っていたが、結果を知ってしまうと、さらに完敗だったという内容を聞くにつれ、なかなか見る気もしないというのが正直なところ(苦笑)。出張先で遭遇したバーゲンセールで、破格値で購入したジーコのDVDに負けても、僕を責めないで欲しい。
思えば、6月30日の広島戦から1ヶ月半。その間、灼熱のハノイや、十日町キャンプ、オールスターもあったが、実際のチームを見ないことには、どうにもこうにもJチームがある町に住んでいる実感がわかない。 もちろん、この中断期間中にも色々な動きがあったので、再び戦闘モードにはいるために、自分なりに整理しておこう。あまりに暑いので、厳しい見方を徹底的にしてしまったことを先に断っておく。
ハノイでは貴章が日本代表として選抜され、決勝トーナメント2試合を含む、3試合に出場した。これまで年代別の代表は何人かいたが、フル代表は、その重みも、格も、レベルも全てが違う。そんななか、新潟の選手が選ばれたのは、代表戦に対する新たな観戦モチベーションを生んだことも含めて、非常に大きな出来事。しかし、なんなんだ、あの使われ方は。スーパーサブというよりも、非常事態のパワープレー要員にとどまったこの大会の使われ方を見れば、厳しい見方をすれば、オシムサッカーの中では、貴章は戦力外だったとも言えなくもない。オーストラリア戦や、韓国戦で登場した貴章は、その登場のタイミングも含めて、我々の興奮をこの上なく高めてくれた。しかし、あの短い時間で、あの役割で(いわゆる電柱役)、貴章の良さが出るか!よーし、オシムに、これが俺のプレースタイルだというのを見せつけてやれ。15日の清水戦は、久しぶりの、そして大いに成長した生貴章を堪能するぞ。
U-22四カ国対抗トーナメントという不思議な大会に、千葉が選ばれた。まもなく始まるアジア最終予選の最終選考の場として、平たく言えば、最終試験として幅広いメンバーが集められた形だ。こちらはアジアカップと違い、映像を見ることが出来なかったのだが、スタッツをみると、ボツワナ戦、失点直後の後半5分という大会名に合わせたかのような不思議な時間に千葉は交代の憂き目にあっている。試合後の監督コメントを見る限り、それが千葉かどうかは分からないが、懲罰的な交代があったことを臭わせている。・・・・・・・絵に描いたような逆境じゃないか。
厳しい見方をすれば、反町サッカーの中では、千葉は戦力外のイエローカードを出されたとも言えなくもない。しかし、あのサッカーで(失礼)、千葉の良さが出るか!よーし、反町監督に、これが俺のプレースタイルだというのを見せつけてやれ。奇しくも、現在発売中の月刊サッカー誌で、俺は千葉の良さをアピールしまくっているのだ。15日の清水戦は、久しぶりの、そして逆境に燃える「全力王子」千葉の反撃を堪能するぞ。
オールスター戦に、新潟からは貴章、北野、坂本の3選手が出場した。北野は、形式的には、Jリーグ推薦になっているが、まぁ、事実上、3選手ともファン投票による選出だと思っている。坂本は先発フル出場を果たしたものの、貴章も、北野も後半、それもかなり遅い時間での出場だった。オールスターの存在意義、必要性についてはかねてから議論がされているところだが、戦術的な縛りがなく、ディフェンスもゆるいこの大会は、肩の力を抜いて愉しんでみる分には最高。実際、小野伸二を中心とする東軍のシンプルなパス回しは、サッカーの持つ美しさを、十分に味あわせてくれたものである。しかし、TVの中継陣を中心とした、あの接待サッカーともいえる内容をみていると、サッカーファンを馬鹿にしているのかと、やはり悲しくなってくるのも事実。2アシストをあげた坂本など、徹底スルーである。
厳しい見方をすれば、TV的には、坂本はメディアクラックとして物足りないという判断をされたとも言えなくもない。しかし、あの接待サッカーで、坂本の良さが出るか!坂本は、いや新潟の選手はガチなんだよ、ガチ。常に、真剣勝負の中で生きているだ。よーし、中継局に、これがサッカーだというのを見せつけてやれ。闘え新潟のキャッチフレーズが頭から離れないぐらい、アピールしてやれ。シーズンオフに、反省して、「接待したい」と言ってきても許してやんない(笑)。15日の清水戦は、久しぶりの、そして闘う新潟を象徴する坂本のプレーを堪能するぞ。
そんなわけで、あまりの暑さに多少頭がやられたが、もう明日に迫った清水戦に向け、僕のモチベーションは(強引に)高まったようである。15日は、超満員が確実視されているとのことである。オシム監督や反町監督や、某テレビ局だけではなく、帰省時のアルビレックス観戦を楽しみにしている県外サポーターのためにも、暑い、いや、熱い戦いを期待したい。
2007年8月14日 00時06分
PROFILE of 浅妻 信(あさつま まこと)
1968年生まれ。新潟市出身。新潟高校卒業後、関西で長い学生時代を過ごす。アルビレックスとの出会いは99年のJ2リーグ開幕戦から。以来、サッカーの魅力にとりつかれ、現在に至る。2002年、サポーターのみでゼロから作り上げたサポーターズCD「FEEEVER!!」をプロデュースして話題に。現在もラジオのコメンテーターだけでなく、自ら代表を務める新潟県社会人リーグ所属ASジャミネイロの現役選手としてフィールドに立つなど多方面で活躍中。