2007.03.19 願いごとのすべてがうまくいくとは思わないけれど今言える言葉は“Just Say I Want You”

 ウチからチャリで数分のところに天然温泉を売りにしたスーパー銭湯がある。同じく近所にあるフットサルコートの帰りなど、たまに利用している。といっても新潟は美咲町あたりのロケーションではなく、『HAT神戸』という、今、このコラムをご覧になっているほぼ100%の方が「どこやねんっ!」と突っ込むであろうエリアなのだが。

 あ、ご挨拶が遅れましたが、今年からこのコラムを担当することになりました。神戸在住大阪勤務のサポーターという極めてマイノリティな立場を活かしつつ、極めてニッチなコラム(どないやねん)を皆様にお送りできれば、と考えております。

 で、そのスーパー銭湯を利用していたある日のこと。揃いのトレーニングウェアに身を包んだ男たちが更衣室へと入ってきた。紺と赤に彩られたウェアの背中には『BANDITONCE』の文字。バンディオンセ神戸の(おそらく)選手たちだった。現在、関西リーグに所属しているとはいえ、ガンバで活躍していた森岡茂や、地元ヴィッセルにも在籍していた和多田“ロングスロー”充寿(今季からFC岐阜)などJ経験者も在籍。去年の天皇杯では兵庫県代表として着実に勝ち上がり、なんと3回戦では去年のJ2チャンプ横浜FCをも破ったのだ(アルビレックスの去年の天皇杯はなかったことにしよう)。フィットネスクラブも備えているこのスーパー銭湯とバンディオンセ神戸とは提携しているようで、その関わりを聞いて、アルビレックスの昔の話を思い出した。

 昔といっても5年ほど前の話。今でこそアルビレックスも自前の練習場を持つ立派なクラブになってしまったけど、J2時代を思い出してみよう。練習後には公園の水飲み場をシャワー代わりにしてたとか、公共施設での練習中、終了時間を過ぎたら陸上競技用のピストルで追い払われたとか、あるいは日本代表の新潟合宿中に前述の美咲町の某所を訪れた某ツネ様に対して地元のおばちゃんが「おめさん、アルビレックスの選手らか?」と聞かれアルビレックスの選手だと一方的に勘違いされたまま激励された話とか…。とにかく今では信じられない、それどころか21世紀の越後七不思議に加えてもおかしくはないであろう逸話があちこちから聞こえてくる(Jクラブとは思えないような)そんなクラブであったことを。

 それがいまや、あの『msn』さんがスポンサード(これからもよろしくお願いします!)。日本代表候補まで輩出するクラブになってしまったではないか。しかもJ1で4シーズン目となる今季、ここまで3試合未勝利とはいえ、Jリーグ創設時から一度もJ2に落ちていない鹿島や千葉よりも順位は上だ(苦笑)。クラブに対して「もっともっと」という想いは強いけれど、欲を言ってもキリがない。少なくとも5年前に今のアルビレックスの姿を想像することはできなかった。同様に前述のバンディオンセ神戸の5年後の姿を想像することだって、実はかなり難しい。J1の舞台で対戦していても不思議ではないのだ。

 ちなみにこの日曜日、バンディオンセ神戸のサポーターチームと関西在住アルビレックスサポーターチームとでフットサルをすることになっている。滋賀FC(滋賀県リーグ)サポーターチームを合わせた3チームでの対抗戦形式で、今年から定期的にフットサルを楽しんでいるのだ。2月に行なわれた前回は(このコラムの1週目を担当しているNAMARA森下氏のお兄さんにも参加していただきました!)運よく優勝することができたものの、バンディオンセチームが実力を発揮すればかなりの苦戦が予想される。しかも、今回は致命的なウィークポイントが。ここだけの話だが、実はメンバーが足りないのだ…。ガチな対抗戦とはいえ参加資格はリフティングヒトケタ台のリアルビギナー。むしろ初心者大歓迎。勝利よりも笑利を! さあ、そこのあなた、3月25日は会場である神戸・六甲アイランドに集合だ!

 え? ナビスコカップ? アウェイ鹿島戦? どんなに愛していても距離の差と移動費用はいかんともしがたく…。

2007年3月19日 13時00分 塚田 義

PROFILE of 塚田 義(つかだ ただし)
1972年生まれ。新潟市出身。進学を機に神戸へ。初めてアルビレックスを生観戦した2002年7月の長居(セレッソ大阪戦)以来ズブズブとゴール裏へ。ナニワナイトや関西発バスツアーなど今年も画策中。