2006.04.10 スタジアムでイタリアン売ってくれてありがとう♪

 甲府戦については、アウェイだけど生観戦した人も多いだろうし地元民放で生放送もあったし、msnのサイトにもすでにゲームリポートがアップされてるし、私がいろいろ書くまでもないかな。ってことで、今回は今週末のホームゲームに向けて(?)、今年からスタジアムで販売されている「みかづきのイタリアン」について語ろうと思う。

 私にとってイタリアンは、小さい頃から大好きなファーストフードだった。最寄りのスーパー堀川(現・キューピット)の店内にみかづきがあって、母親と買い物に行ったときに買ってもらったり、ひとりで自転車に乗って買いに行ったりもした。家で友達だったか親戚が集まったときに、人数分まとめて買出しに行ったりもした。8個くらいまとめて注文したことがあったような。多いと意外に時間がかかった記憶がある。自分は1個だけなのに、前に並んでいるおばちゃんが大量に注文したりすると愕然としたものだ。今思うと、みかづきの店内で食べる人は少なく(まぁ地域的なものもあるけど)、4個、5個とまとめてかって帰る人が多かった。イタリアンは子供のおやつ的なものではなく、普通に家庭の食卓に並び、老若男女問わずに好まれたファーストフードだったのだと思う。

 そんなイタリアンも、新潟人以外からはあまり評価を得ていない模様。例えばこのリレーコラムを書いているひとりである浜崎。彼は神奈川県出身だ。彼の話によると初めてイタリアンを食べたのは骨折して入院していた大学生の時とのこと。世話をしてくれていた友人に「パスタ買ってきて」と頼んだところ、その友人はイタリアンを買ってきたそうだ(友人は新潟人)。その時の感想を聞くと、「まずい!」と彼は吐き捨てるように言った。「俺はパスタが食べたかったんだっつーの!」だそうだ。まぁパスタだと思って食べたらショックだろうな、とは思うけど、まずいっていうのはどうかと思う。おいしいのに。

 私のイタリアン・エピソードで一番思い出深いのは、小学生の頃、ハンバーグイタリアンを買ったときのことである。母親に「イタリアン食べたい!」と言ったら「買ってくれば」とお金をくれた。自転車でみかづきに到着、何にしようか迷う。いつもは一番安い普通のやつかホワイトイタリアンしか買わない(買えない)が、今回は自分の分だけ買えばよく、貰ってきたお金にも余裕があった。しかもお腹も減っていた。ということで思い切ってハンバーグイタリアンを注文。超ウキウキ状態で自転車を飛ばして家に帰ってきた。「この思い、伝えずにはいられない!」って感じで、母親のところへ。とにかくハンバーグイタリアンを買った嬉しさを伝えたかったのだ。

 で、「お母さん、見て見て!」と言いながらイタリアンの蓋を取ると……。無い! ハンバーグが無い! 目の前のイタリアンは普通のイタリアンだった。ショック! あの店員、ハンバーグ乗せるの忘れやがったな! 蓋にはちゃんとハンバーグイタリアンのシールが貼ってあるのに!!! ……ウキウキな気分から一気に突き落とされた。店員を恨んだ。母親も、私がものすごい勢いで来たのに見せられたのは普通のイタリアンだったし、私が急に黙り込んだので「?」な顔をしていた。

 と、その次の瞬間、右手に持っていた蓋の裏側から、ハンバーグが床に落っこちた……。2度目のショック発生である。その後の記憶はあいまいだが、たぶん母親は笑っていたと思う。私はそのハンバーグをたぶん食べたと思う。下の方を拭くかなにかして。でもあまりのショックにおいしく味わって食べることはできなかったと思う。

 まぁ、結局何が言いたいのかというと、それくらいイタリアンは新潟の子供たちに愛され、いろんな思い出が詰まった食べ物だということだ。わかったか、浜崎!

2006年4月10日 水野 栄子

PROFILE of 水野 栄子
みずの えいこ 1972年生まれ。新潟市出身。小学生の時に「キャプテン翼」の影響を受けサッカーをやりたくなるも、地元はサッカー不毛の地であり断念。1999年、アルビレックスの観戦が縁で浜崎、岡田の両氏と出会い、サッカープレイヤーへの道が開ける。現在は仕事と家庭とLSS(レディースサッカースクール)通いの両立に頭を悩ませている。