【コラム】2010年 J1全チーム戦力分析 vol.4

ちょっとぶりのお久しぶりです。
前回の神奈川3チームの次は静岡へと参ります。

 
【清水エスパルス】 監督:長谷川健太

主なIN
小野伸二(ボーフム)
ボスナー(千葉)
杉山浩太(柏:レンタル終了)
 
主なOUT
掛川誠(引退)
マルコス パウロ(未定)

 
長谷川健太政権も、もう6年目。その安定感のせいもあってか、今年は殆ど動きのないオフとなりました。正直、あんまり書くネタがございませんw
 
去年の清水の問題点の一つはセンターバックのコマ不足。青山は相変わらずのクオリティを保っていたし、岩下の成長は著しかったし、児玉もセンターバックとしては及第点の出来だったと言えるでしょう。
ただ、順列的にその後ろである平岡以降のメンツは極端に落ちるというのが大きな問題だったと思います。清水の守備は、センターバックが前へ前へとアタックをかけるよりも、相手をサイドに追い込んでそこからのクロスボールを跳ね返すことに注力する形を取っていることもあり、戦術面から見てセンターバックの役割は極めて大きい。個が強くないと機能しない戦術ですね。
 
そういう意味では、跳ね返す能力に特化しているボスナーの補強は正しいでしょう。青山の復帰がどのタイミングになるかはわかりませんが、ボスナー、岩下、青山そして児玉が揃っていれば去年のような問題は起きないでしょうね。
 
そして小野伸二。はたしてどこまで清水の戦力になるのか。清水の中盤の構成を考えると、まずボランチはセンターバックが跳ね返したセカンドボールを拾えるタイプと、そのボールを走りで前へと運べる選手。サイドハーフはキックに特徴を持つ選手、って感じですけど、小野はどこで使われるか。
 
このチームは毎年、「去年作った事を一回壊して作りなおす」という謎のトライを続けてる印象がありますが、今年は小野がそのきっかけにならないといいですね。
個人的には小野よりも杉山の復帰が大きいと思います。今年、彼がついに清水の中盤の主役になる日が来るかもしれません。
 
 
 
【ジュビロ磐田】 監督:柳下正明

主なIN
荒田智之(水戸)
パク・チュホ(鹿島)
イ・カンジン(釜山)
 
主なOUT
茶野隆行(千葉)
村井慎二(千葉)
松井謙弥(C大阪)
太田吉彰(V仙台)
中山雅史(札幌)
萬代宏樹(鳥栖)
鈴木秀人(引退)

 
中山、鈴木秀人という最後の黄金期・中心メンバーが去り、05年の大補強のうちの村井と茶野も去る、という磐田の歴史の一つの終結を見せるようなOUTのメンツですね。
 
ただ、去年のジュビロの最大の問題点である失点60を誇る絶望的な守備力は、正直なところ今回OUTになった守備方面の選手たちの責任も大きかった気がしますので、正しいといえば正しいと思います。
 
やはり今年はその守備をどうするかが最大の問題になるでしょう。まず去年、山本脩斗(スワンで貴章にズタズタに破られて前半で引っ込んだ彼ですね)や犬塚、そして苦し紛れの金沢の復帰・・・と人選に最後まで苦しんで結論が出なかった左サイドバックに、鹿島からパク・チュホ。これは文句なしに良い補強でしょうね。彼がシーズンを通して稼働してくれれば、ここは去年のような明らかなアキレス腱にはならないと思います。
 
そして茶野と鈴木秀人が去ったセンターバックには、これまた韓国人のイ・カンジン。イ・グノで味をしめたんですかね。イ・カンジンはかつてヴェルディで2年間プレーしていたという実績もあるので、順応はある程度期待していいと思います。ただ、万が一彼が外れだと大ピンチに陥りますけどね。
 
まあ、ここまでの補強は中々だと思います。ただ、去年のジュビロにおける守備面の大きな問題であるボランチの弱さという問題をどう解決するか、というのは補強からは見えてきません。ジュビロに必要なのは本間勲や伊東輝悦みたいな選手だと思うんですが、山本康裕の成長に賭けたんでしょうかね。大丈夫ですかね。
こりゃホーム開幕戦はジュビロとやりますけど、マルシオや貴章にどんどんバイタルを突いてもらうしかないですね。
 
対して攻撃は、前田にイ・グノにジウシーニョ(いつ戻れるか未定ですけど)、そして荒田の加入でFWは厚い層が出来たと言えるでしょう。荒田はボールを受ける仕事も、相手のスペースを突いて得点を奪うことも出来る万能型なので、前田と組んでもイグノと組んでもイケるでしょう。いい補強じゃないでしょうか。
 
ま、このチームが一番補強すべきは監督だと思いますけど。
 
 
 
つづく