【コラム】秋春制問題と妖星ゴラス

「ディープインパクト」や「アルマゲドン」というアメリカ映画は皆さんご存じだろう。どちらも地球にぶつかる小惑星を核爆弾で破壊し、人類消滅の悲劇から逃れるという内容だ。
それでは、”妖星ゴラス”という映画をご存じだろうか。1962年に東宝が制作したSF映画だ。

こちらもストーリーとしては似たようなもの。ある時、地球に向かってくる小惑星を天文台が捉える。地球に衝突したら人類絶滅は確実だ。

アメリカ人は先の二つの映画で「当然のように」兵器で小惑星を破壊するという解決方法を選択した。しかし東宝の妖星ゴラスは違う。地球に巨大ロケットを取り付け、地球の進路を変えることで小惑星から逃げたのだ。

なんという柔軟な発想。「敵対するものは全てぶっつぶす」と、呼吸するように自然に思いつく(というかそれしか思いつかない)アメリカに対して、”地球側が避ける”という発想をした東宝スタッフを、一人の日本人として私は誇りに思う。 それが現実的かどうかはまた別の話なのは充分承知だ。というか、しょせんは空想映画だ、そのくらい柔軟な発想をしなくてどうする。

なぜこんな話をしたかというと、

【後藤健生コラム】開幕日の天候が、やっぱり心配でしょ?再び、しつこく秋春制についての一考察

後藤健生さんのコラムである。秋春制について語っているのだが、最後の一文を読んで、ニヤリと笑ってしまった。そうなのだ、発想するだけなら、そしてひとこと言ってみるだけならタダだ。そんなの別に、こっちの自由じゃないか。