【PickUpSNS】福井と父とインテル

あるユーザーの日記。

試合見た事ないのに福井で車にフラッグつけている父ちゃんと、インテルファンのお話

つれづれに、父とアルビの話
  注) 2010年5月8日(A)清水戦当日

先週末、献体していた父の遺骨を引き取りに、
福井大学医学部へと向かった。

土曜の朝早く、北陸自動車道を走っていると、
アルビのシールをはったクルマが追い越していく。
上越ジャンクションあたりでも、1台のアルビカーを見かけた。
後ろ姿に「がんばってくれー!」と念を送りつつ、
「左へ行けば清水なんやけどな」
そう思わずにはいられなかった。

まだアルビが市陸で戦っていたころ、
娘夫婦が応援しているチームには、
本当にお金がないということを知った父。
とりあえず、すぐに後援会に入ってくれた。
J1に上がったときには、心から喜んでくれた。
「新潟くんだりの田舎チームでも、すごいことができるんやなあ」
クラブハウスを建てるときも、寮のときも、寄付してくれた。
「お金、送っておいたよ。今度は、寮やってな?
ほうやって(そうやって)、少しずつ大きくなっていけばいいんやざ」

その父が一度もスワンで試合を見ることもなく、
胃がんで逝ってから3年2カ月。
ようやく解剖が終わって、遺骨が返されることになった。
福井大学で行われた遺骨の返還式で、父の遺骨の前に、
父の解剖に携わったと思われる医学生たちが献花してくれた。
白い菊の花の山が高くなっていくのを見て、
亡くなってからも、多くの人のお役に立っていたのだなあと胸が熱くなった。

いまは、弟が後援会員を続けてくれている。
去年から今年にかけての寄付のお願いにも、応じてくれたとのこと。
だが生粋のインテルファンの弟は、
サッカーをよく知らなかった父と違って辛口である。
「お姉ちゃんがヨボヨボのばあちゃんになって、
あちらの世界からお迎えが来るころまで、
アルビの優勝なんてナイナイ」
とか何とか言いながら、
「でも、アホなヤツが信じんかったら、何も始まらんでの。
あ~あ、アホな姉を持つと弟も大変やわ」と言い放つ。
どうやら、わが一族から後援会員が減ることはなさそうである。
実家のクルマはいまもアルビの旗を立てて、
福井のまちを走り回っている。

「アホな娘がおりまして、
それがサッカーチームの応援をしているもんでね。
だから私も、アルビレックスなんとかを応援することになりまして」
よその人に、うれしそうに話していた父の姿を思い出した。

コメント

  1. 匿名 より:

    >生粋のインテルファン
    ワロタ

    だが、
    >アホなヤツが信じんかったら、何も始まらんでの
    名言だね。

  2. saputa より:

    泣いた

  3. にゃー子 より:

    えー話やぁ~。

  4. むろ より:

    お父さん、ありがとう。どうか安らかに。

  5. gohome より:

    >アホなヤツが信じんかったら、何も始まらんでの

    ホント名言。いい言葉だ。ウン。