2010シーズン前半戦総括 その1
「前からアグレッシヴに組織的に守って、高い位置からカウンターを仕掛ける」という武器を取り戻す道のり。そして4連勝は何故成し遂げられたのか?
その過程を引き続き追っていきたいと思います。
ズバリ言ってしまうと、大きな分岐点は0-2で敗北した6節の浦和戦ではないでしょうか。
あの試合では貴章がセルビア戦出場の影響もあってベンチスタート。そこにアトムが入る。システムは、それまで4-4-2や4-2-3-1(貴章の左サイド起用等々の迷走含め)などの試行錯誤をしてきた中、4-4-2を選択。
この試合ではっきりと見えたのは、中盤の出来るだけ高い位置で相手の攻撃を捕らえて、そこから一気に前へと攻撃に移行するための守備の組織網(守備ブロック)を作ろうとする意図でした。
特に右のマルシオと左のヨンチョルの位置まで、タイミングを見てアトムやオオシが降りてきて相手を挟み込むプレスを仕掛け、奪ったら一気に前へと行こうとするその姿勢、これまでかなり希薄だったその姿勢が、今までにないくらい見えた試合だったと思います。
残念ながら、奪った後の連動がまだ完成されていなくて効果的なフィニッシュまで持ち込めなかったんですけどね。
実はこの試合、開幕して初めてボール支配率で敗北した試合でした。(今年は開幕から58%、52%、53%、65%、53%とポゼッションでは5連勝。)
もしかするとこれまでの相手にはいなかった、明確にポゼッションを標榜してくる浦和と対戦するにあたって(何せガンバはカウンター狙いのチームになってましたからね)、準備してきたこの戦い方が、結果的に本来の新潟の姿を取り戻す事に繋がったのかもしれません。
つまり、この試合で見せたこの形が、4連勝を成し遂げるチームのひな型だと言えると思います。
この試合におけるアトムをミシェウに、オオシを貴章に変えた4-4-2が4連勝時の前線のメンツなわけですが、4連勝の原動力の一つはこの浦和戦で見せたような、前線4枚が連動して中盤で仕掛けるプレスと、そこからのカウンターの鋭さ。
そしてそうやって高い位置できっちりプレスがかかるので、サイドバックもそれを後ろ盾に勇気を持って高い位置を取れる。
さらにそうやってサイドバックが高い位置を取れる事によって、カウンターに行けない時のポゼッションにサイドバックがガンガン絡んでくる事になるので、パスコースの選択肢と範囲が広がって、相手に呼吸をさせない攻撃的なポゼッションが発揮できるようになる(清水戦、山形戦の前半なんかはまさにそれですね)・・・という好循環が4連勝を形成したのだと思います。
あ、それとポゼッションの話ではミシェウの存在を忘れてはならないでしょう。これまでマルシオや内田に依存しがちだった、相手に圧力を掛ける攻撃的なキープができる彼がいる意味はとても大きいと思います。
「ポゼッション」
実はこれも今年の新潟を語る時に忘れてはならない要素ではないでしょうか。
それは次回の選手個人にスポットを当てるエントリーでちょっとお話ししようかと思います。
つづく