【コラム】2010年 J1全チーム戦力分析 vol.1

我らがアルビレックス新潟は高知でのキャンプがスタート。ついに本格的にシーズンが始まった感じですな。
それはつまり、そろそろ我々も相手を知るべき時期に来たということ。
という訳で今日から今年の補強状況を見ながら、「2010年 J1全チーム戦力分析」シリーズを、数回に渡ってお届けして行きます!
Know Your Enemy!!

 
 
【ベガルタ仙台】 監督:手倉森誠

主なIN
太田吉彰(磐田)
高橋義希(鳥栖)        
鎌田次郎(柏)
 
主なOUT
マルセロ ソアレス(ポンチプレッタ)
サーレス(横浜FC)

 
6年間のJ2暮らしを経て、ついに上がってきてしまった金色のニクイ奴。
 
その補強を見ると、リャンと並んで仙台の攻撃の看板である関口のポジションに太田、課題だったボランチにJ2時代に良く知った高橋義希、と中盤ではまずまずの補強に成功したと言えるでしょう。
 
また、手倉森監督と強化部長の発言によると、ブラジル人FW一人、FWとMFを兼任できるブラジル人選手を一人獲得する事が決まっているらしいので、その選手がアタリなら攻撃面では結構補強を頑張ったと言えるのでは。アタリならね。
 
問題は守備。仙台は51試合で失点39という、J2最小失点を誇る守備を武器にJ1に上がってきたチーム。その為、今年の補強は守備陣はそのままで、中盤から前の補強に注力したのだと思われます。
ただ、J2とJ1の守備はそもそも違うもの。例えば、J2では上手く行ってた「打たせて取る」守備が、J1では「打たれたら入る」になったからさあ大変!ってのは、新潟サポならみんな苦い記憶として覚えているように。堅守を武器にJ1に上がってきた08年札幌が、守備陣の数人の怪我で派手に大崩壊したように。
 
それを考えると、J1を知っている選手がほとんどおらず、補強もJ1レベルだとテンパることが多かった印象が強い鎌田だけというのは、もしかすると今年の最大のアキレス腱になるかもしれない。
エリゼウと渡辺のCBコンビを中心とする守備陣が、いち早くJ1に順応して実力通りの力を発揮することが出来るか。残留達成はこの一点に掛かっていると思います。
 
あとはやっぱリャン。このチームはやはり彼のチーム。彼はプレースキックだけ抽出したら、多分Jリーグで五指、いやそれ以上に入るかもしれない選手。そこだけは間違いなくJ1でも強烈な武器になる。仙台と戦うチームはセットプレー対策が大きな課題になるでしょうな。
 
 
 
【モンテディオ山形】 監督:小林伸二

主なIN
ハン・ドンウォン(城南)
下村東美(千葉)
キム・クナン(横浜FM)
増田誓志(鹿島)
田代有三(鹿島) 
 
主なOUT
財前宣之(ムアントン・ユナイテッド)
小原章吾(愛媛)
レオナルド(未定)
渡辺匠(未定)
赤星貴文(未定)

 
今年は移籍システムが変わったので、全体的にかなり選手が動くかなあと思ってたんだけど、意外とそうでもなかった、ってのが個人的な感想。しかしそんな中でまさかのこのチームが超絶補強!!
 
小林監督が補強ポイントに挙げてたというボランチに、小林監督がセレッソ時代によく知る下村と鹿島から増田。そして去年古橋と長谷川が使えないとガクっと力が落ちていた(キム・ビョンスクを回してた時は悲惨だった!)FWに田代を補強。
 
正直言って下村なら秋葉のほうがいいんじゃないの?って気がしないでもないですがw、計算の立つ選手を必要な場所に配置するという方針、そしてクラブの財政力を考えればベストに近い人選を手に入れた事。この二つは見事という他ないでしょうね。
それに長谷川、小林亮、西河のレンタル組を残留させることに成功したのも非常に大きいでしょう。
 
田代と長谷川のキャラが被るのでは?という意見もあるようですけど、「しっかり守って攻守のスイッチを一気に入れ替えてサイドアタック」という山形スタイルにおいて、長谷川は最前線のターゲットというよりは、中盤に降りてボールを受ける事で攻守の切り替えスイッチの役割をしていた印象なので、それより前でターゲットになってくれる田代との良好な縦関係が出来れば、かなりハマるコンビになるかもしれないですね。
やっぱり今年も山形と対戦する際は、まずはその切り替えスイッチの長谷川をぶっ潰す事から始めるべきなのでしょう。
 
放出の方に目を向けると、なんと言っても目を引くのはレオナルドと小原の二人のCBの放出。特にレオナルド。彼はJ2時代から山形の守備の中心であり、J1でもスピード対応等に若干のマズさはあったものの、守備の中心として活躍していただけに、この放出は驚き。
 
去年の山形はリーグで5番目に少ない40失点という強固な守備を武器にポイントを積み上げ、J1初年度のサバイバルを生き残ったチーム。そしてその堅い守備こそ、小林監督のサッカーの基礎中の基礎なのです。その守備陣に手を加えたという英断がどう出るか。
 
とりあえず、センターバックは昨年の後半に守備の中心だった西河を軸に、石井、そしてマリノスから補強したキム・クナンを使っていくんでしょう。その彼らの稼働率と、マリノス時代にCBとしてシーズンをずっと戦うという経験がないキム・クナンが、シーズン通してどのくらいの力を発揮できるかが、補強した前線のタレントの力の発揮具合よりもずっと重要になってくるのは間違いないと思います。
 
 
 
【鹿島アントラーズ】 監督:オズワルド・オリベイラ

主なIN
フェリペ・ガブリエル(ポルトゲーザ)
イ・ジョンス(京都S)
佐藤昭大(広島)
船山祐二(C大阪:レンタル終了)
 
主なOUT
増田誓志(鹿島)
田代有三(鹿島) 
ダニーロ(未定)
小澤英明(ルケーニョ)
石神直哉(C大阪:レ→完)
中後雅喜(千葉:レ→完)
パク・チュホ(磐田)

 
09年シーズン、アルビレックス新潟の次に強かった完全無欠の3連覇チーム様の余裕か、驚くほど入ってくる方が静かなオフに。
 
逆に出ていった方を見ると、ダニーロ、田代、増田、パク・チュホといった、バックアッパー1番手~2番手をよく放出したなあ、って印象ですね。中盤は、小笠原、野沢、本山、青木、中田浩二、の後ろって考えると、もう船山だったり、フェリペ・ガブリエルだったりって名前が出てくるわけですからね。FWはコーロキ、マルキの後ろは大迫と佐々木の二人でしょうか。
 
ここ数年、ほとんど同じスタメンで戦って3連覇を達成した鹿島。そのスタメンを残しつつも、後継の育成を同時に達成するためのスマートな選手構成にしたのかも知れません。鹿島さん、余裕あり過ぎww
それに、今年はACLも当然狙うだろうけど、それを含めてもこの選手構成でOKって事ですからね。鹿島さんすげーっすまじでw
 
でもまあ、選手層に若干の不安を抱える中盤から前に比べ、守備陣はまさに磐石というメンツが揃ってますね。もはや能力に疑いようのないイ・ジョンス(彼はJリーグでも五指に入るセンターバックだと思います)はCBもSBも出来るし、そして俺たちのジウトンも保有権を持ってるクラブのイザコザをクリアして加入間近との事だし、パク・チュホの抜けた穴を補って余りある陣容に。守備の層に関しては文句なしでJ1で一番でしょう。
 
まあ、とはいえ鹿島と対戦するときは、去年と新潟が勝った時とまったく同じ事をすればいいのです。今年もやったりましょう。ついでにジウトンがロングスローをしようとしたら、全力で集中して守る事は徹底しておくべきですねww
 
 
 
つづく。