【コラム】2010年 J1全チーム戦力分析 vol.5

2010年 J1全チーム戦力分析 vol.1
2010年 J1全チーム戦力分析 vol.2
2010年 J1全チーム戦力分析 vol.3
2010年 J1全チーム戦力分析 vol.4

2月の頭くらいからスタートしたこのシリーズ。書いてて気付いたのですが、これ2月の頭だと時期尚早なんじゃないの?実際、清水の4-3-3への変更情報とか間に合わなかったし・・・ということでちょっと間を空けて再スタートです。シーズン開幕もあと1週間とちょっと。敵を知りましょう。


 
 
【名古屋グランパス】 監督:ドラガン・ストイコビッチ

主なIN
千代反田充(新潟)
高木義成(東京V)
田中マルクス闘莉王(浦和)
金崎夢生(大分)
ダニルソン(札幌)
 
主なOUT
山口慶(千葉)
吉田麻也(VVVフェンロ)
津田知宏(徳島)
バヤリッツァ(河南建業)

 
 
去年は「ACLあるのに、この補強?」だったのが、今年は「ACLないのに、この補強?!」な、名古屋。
 
まず、今年の名古屋の流出で最も大きい吉田とバヤリッツァのCB二人に代わり、闘莉王と千代反田の二人が加入。これは質的に考えれば同等以上と言っていい補強でしょうね。これまで吉田が担ってきたビルドアップやフィードの部分での役割に関しては、闘莉王はこれ以上ない適任だし、守備能力は言わずもがな。ジャストな補強でしょう。
それと大きいと思うのが千代の稼働率の良さ。バヤリツァも地味に吉田も、昔の話をすればスピラールなんかもそうですけど、何故か名古屋のCBは稼働率がイマイチな印象がありますよね。闘莉王も決して稼働率の高い選手ではない。そこで千代の安定感は、実は名古屋にとって凄く大きい気がします。今は増川が一歩先に行ってるようですけど、恐らくシーズン中盤以降、彼の存在の大きさは際立っていくんじゃないだろうかと予想します。
 
そしてやはり、今年の名古屋の最大のポイントと言えば、ダニルソン、金崎を埋め込んだ4-3-3システムの本格的な導入でしょう。これは去年4-3-3のチームを肌で感じた新潟サポに対して今更言うまでもないでしょうけど、このシステムはとにかくバランスが重要。特に中盤から後ろの守備の部分。そして本間勲がなぜ天才と呼ばれるかが死ぬほど良く分かった、アンカーというポジションの難易度と、超が付く程の専門性。
 
中盤の構成はアンカーの位置にダニルソン、そしてその前の2枚に中村、吉村、金崎、マギヌン、ブルザノビッチ、小川あたりが入ってくるのでしょう。まずはこの組み合わせがどうなるか。そしてそれだけじゃなく、ウイングを任されるであろう玉田、小川、金崎、杉本あたりが、どうやって中盤の守備に参加するのか。その辺が整理されているかどうかが、今年の名古屋のカギを握る事になるでしょう。何度も言いますが、このシステムはとにかくバランス。Jリーグで4-3-3に挑戦して失敗するチームが多い中、去年の新潟が成功したのは奇跡的なバランスで成り立っていたからです。それを達成できるか。
 
 
今年もピクシーはサイドアタックを重視し、サイドバックをガンガン上げてくるサッカーをするでしょう。まだ全く見てないので何とも言えませんが、このシステムで守備バランスを整えつつ、最大の武器であるサイドアタックを発動する仕組みがシステムに組み込まれれば、上位陣がACLという難題を抱えるのを尻目に、リーグに専念できる名古屋がデカイ事をやらかす事も十分ありえるんじゃないでしょうか。目指すべき最低ラインはACL出場のチームだと思います。
 
 
 
【京都サンガ】 監督:加藤久

主なIN
片岡洋介(大宮)
鈴木慎吾(大分)
ドゥトラ(サントアンドレ)
カク・テヒ(全南)
チエゴ(グレミオ)
 
主なOUT
佐藤勇人(千葉)
林丈統(千葉)
イ・ジョンス(鹿島)
豊田陽平(鳥栖)
手島和希(引退)
シジクレイ(カスカヴェルCR)

 
 
このチームは本当に良く分からないです。シーズン中にシステムも選手の配置もガンガン変わるし、毎試合戦い方が違う。そしてCBタイプの選手のコレクターで、センターFWをCBに転向させてまでどんどんコレクションを増やす。西京極がいつまでたっても改修されないのも謎だし、和田りつ子女史がアリになってるあの文化も分からないし、そして何より、新潟が異常にこのチームに相性が悪いのが一番わからない!!!なぜだ!!!!!
 
加藤久監督いわく、今年のチームは4-3-3や4-1-4-1が基本であるとのこと。きっと4-3-3と言っても、練習試合のメンバーを見る限り、中盤に5人を並べて1トップ、みたいな形がメインになるのでしょう。今年の補強を見れば、ディエゴがいながらその位置を主戦場とする“カカ2世(らしいです)” ドゥトラを獲得し、豊田や林を放出して、現有の純正のFWで計算できるのは柳沢と、キム・ソンヨン(一応、宮吉も)、くらいしかいないということを考えれば、当然の判断かもしれません。ただ、その期待のドゥトラは疲労骨折で離脱。御披露目はもう少し後になりそうです。
 
一方の守備の補強はさすが怠りません。イ・ジョンスという核が鹿島に移籍した所に、韓国代表のカク・テヒ。そしてCBとボランチで獅子奮迅の活躍をしてきたシジクレイに代わって片岡とチエゴ。片岡は大宮ではCBとしての出場が多かった選手ですが、どうやら今年はアンカー的に使われるのがメインのようです。真ん中には片岡、水本、カク・テヒ、チエゴ、右にはまっすう。今年も相変わらずごっついCB集団ですね。
 
繰り返しますが、このチームは本当に良く分からないチーム。書く事ももう尽きましたww今年こそ相性の悪さを払拭したいですね。
 
 
 
 
つづく