【コラム】2010年 J1全チーム戦力分析 vol.7

2010年 J1全チーム戦力分析 vol.6
はい、開幕を目前にしてラストスパート。今年は九州のチームがいないので広島で終わりです。

 
【ヴィッセル神戸】 監督:三浦俊也

主なIN
ポポ(慶南)
冨田大介(大宮)
都倉賢(草津)
エジミウソン(大分)
   
主なOUT
松橋章太(ロ熊本)
内山俊彦(甲府)
金南一(トム・トムスク)
坪内秀介(大宮)
馬場賢治(湘南)
柳川雅樹(甲府)
アラン・バイーア(アトレチコ・パラナエンセ)
マルセウ(ベンフィカ)
須藤大輔(未定)
古賀誠史(未定)

 
地味にここも人の出入りが激しいオフでしたね。元々保有の選手数が異様に多かったので、このくらいが適正なんでしょうけどね。
 
補強を見ると、三浦俊也のチームらしい実に手堅い補強って感じでしょうか。去年マルセウが大外れ、我那覇が早々に故障、の影響で最後まで前線の核となる選手が定まらなかった神戸ですが、そこに都倉の補強に成功。今年の神戸が、去年の最後まで中途半端だった状態からの脱却を図るのであれば、彼のフィットと活躍が不可欠であると言えるでしょう。
 
それと日本で実績のある外国人の2人の補強も本当に手堅い。猛烈に走り回って相手を潰しまくるエジミウソンはこれぞ三浦サッカーのボランチ、って感じですよね。とても分かりやすい補強だと思います。
それとポポの補強は、セットプレーのキッカーとしての期待が相当あったのでしょう。セットプレーはこれまた三浦サッカーの生命線の一つ。本当に分かりやすいと思います。
 
極めつけは冨田。もう言うまでもなく三浦俊也政権の大宮の中心だった選手ですね。内山、柳川を放出して冨田。分かりやすいですねえ。
 
という事で、三浦俊也の、三浦俊也による、三浦俊也のための補強を行った神戸。今年もthis is トシヤサッカーが堪能できそうです。
 
 
【サンフレッチャ広島】 監督:ミハイロ・ペトロヴィッチ

主なIN
西川周作(大分)
山崎雅人(G大阪)
山岸智(川崎)    
 
主なOUT
久保竜彦(金沢)
李漢宰(札幌)
柏木陽介(浦和)
佐藤昭大(鹿島)
平繁龍一(徳島)

 
何と言っても今年はACLに出る準備が出来たかどうか、に尽きると思います。
 
そんな中、今年のオフはチームの絶対的中心であった柏木の流出からスタート。広島のパスサッカーの中心でもあり、同時にフィニッシュの部分で特徴を出せる彼の不在は相当に大きいとは思います。
 
ただ、ここには高萩、高柳、そして復活の森崎浩司、加えて何でも来いのハイブリッドな動きが出来る山崎の補強・・・とACLを含めた日程を乗り切るだけのメンバーは揃っていると考えていいでしょう。
 
それに服部とミキッチが使えないと一気に人材不足に陥っていたウイングバックには、両サイド行ける山岸を補強。これもいい補強だと思います。
 
そして何と言っても西川の補強でしょう。DFから後ろにも相当のビルドアップの能力を求めるチームでありながら、GKの足元を含めた不安定さはこれまでの広島の最大のアキレス腱だったと思いますが、そこにビルドアップも安定感も抜群の西川が入った事は、これまでの広島のサッカーを一歩前に進めるには最高の選択だったんじゃないでしょうか。
 
という事で、補強は中々良いものだったと思います。ただ、全体としてACLを乗り切る選手層があるかと言えば、少し疑問符が浮かぶのは事実でしょう。リーグとACLのどちらかを集中して獲りに行く、ってのが現実的な線だと思います。
これまで4年間に渡ってペトロヴィッチの元作り上げてきた広島のチーム力が、今年は問われる事になります。さあどう出るか。